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通信料金値下げの影響を法人・金融でカバーするKDDI

KDDIは29日、第1四半期決算を発表した。連結売上高は、前年同期比で4.0%増の1兆3,517億円、連結営業利益は前期比0.8%減の2,969億円で増収減益となった。通信料金値下げの影響で減益となったが、法人・金融などの注力領域の成長により減益幅を低減した形となる。

au、UQ mobile、povoのマルチブランドID数は3,093万件で、前期比4万件減だが、これは3G停波影響(マイナス25万件)によるもの。通信ARPU(ユーザー当たりの売上)は3,970円と減少傾向(前期は4,050円)。

注力領域のビジネスセグメント(法人)の売上高は、前年同期比16%増の870億円。DXを中心に成長を牽引した。

同じく、注力領域の金融事業は営業利益217億円と前年同期の40億円から大幅増。決済・金融取扱高は3.3兆円(前年同期比33%増)、auじぶん銀行のローン商品残高は1.8兆円(同2,000億円増)。au PAY会員数は3,800万人(同430万人増)で、うちau PAYカード会員数は790万人(同120万人増)。注力領域のエネルギーにおける「auでんき」の契約数は前年比57万件増の353万件。

金融事業の環境については、「auじぶん銀行の住宅ローンや、au PAYカードのクレジットカードが順調に伸びていて成長の源泉。一方、au PAYの少額決済は、まだ黒字化にするには大変な事業で、ここは通信と本当に近づけたい。au PAYやスマートパスをコンシューマの事業にいれて、本当に通信と融合を目指す分野としている。銀行やカードなど、auフィナンシャルグループで伸ばす金融事業と分けながら、相乗効果で伸ばすという戦略」(KDDI髙橋誠社長)と説明した。

KDDI髙橋誠社長

なお、「楽天のゼロ円廃止」発表の後にpovoの大きな流入があったが、7月の通信障害の影響もあり「流入の勢いは落ちている」という。ただし、「まだ出ていく数よりも入ってくる数が多い状況。povoは基本料金ゼロ円なので、使わないと6カ月で解約になる。その数も6月から入っているのでその分の影響もある。ただ、障害の関係もあり新規は少し弱くなっている」とした。