ニュース

HPVワクチン接種、機会を逃した年代も公費で接種可能に

厚生労働省は、子宮頸がんの原因の50~70%を防ぐHPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチンの接種機会を逃した人を対象に、公費で受けられるキャッチアップ接種を4月より開始する。

対象者は、以下2つの条件を満たす女性。

  • 平成9年度~平成17年度生まれ(1997年4月2日~2006年4月1日)
  • 過去にHPVワクチンの接種を合計3回受けていない

通常のHPVワクチン接種の対象年齢は、小学校6年~高校1年相当。だが、2013年~2021年は、接種後に報告された多様な症状等について十分に情報提供できない状況だったことから、個別に接種を勧める取り組みを差し控えていた。

2021年11月の専門家の会議で、接種による有効性が副反応のリスクを明らかに上回ると認められたことから、個別に接種を勧める取り組みを再開することにした。

HPVワクチンは16歳頃までに接種するのが最も効果が高いため、対象年齢を設けている。だが、それ以上の年齢で接種しても、ある程度の有効性があることが国内外の研究で示されている。

上記対象者が公費で接種できる期間は、2022年4月~2025年3月の3年間。HPVワクチンは、決められた間隔をあけて3回接種する必要があるため、希望者は早めに接種するよう呼びかけている。公費で受けられるワクチンの種類は、サーバリックスとガーダシルの2種。

過去に1回接種したことがある人は残り2回、2回接種したことがある人は残り1回、公費で接種を受けられる。ワクチンの接種履歴は、母子健康手帳や予防接種済証等で確認可能。

新型コロナワクチンとそれ以外のワクチンは原則として同時接種できないため、片方のワクチンを受けてから2週間あける必要がある。

なお1997年4月2日~2006年4月1日生まれの女性で、接種の対象年齢を過ぎて(高校2年相当以降)HPVワクチンを国内で自費で受けたことがある人は、掛かった費用のうち規定額の払い戻しを受けられる。

このほか、2006年度・2007年度生まれの女性も、通常の接種対象の年齢を超えて、2025年3月末までHPVワクチンを接種可能。

具体的な接種方法は、住民票のある市町村から届くお知らせから確認する。過去に受けた接種回数や時期により接種方法が異なる場合があるため、市町村や医療機関に相談する際は母子健康手帳を確認・持参するよう呼びかけている。