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“首掛け空間除菌”など根拠ないコロナ予防商品に改善要請

消費者庁は、新型コロナウイルスに関する予防効果を標ぼうする商品に対する緊急的措置として、表示の適正化についての改善要請と、SNSによる一般消費者への注意喚起を行なった。

消費者庁では、2020年2月以降、インターネット広告で新型コロナウイルスに対する予防効果を標ぼうするウイルス予防商品の表示について、景品表示法(優良誤認表示)及び健康増進法(食品の虚偽・誇大表示)の観点から緊急監視を実施している。

2021年12月から現在までのところ、インターネット広告でウイルス予防商品の販売をしている39事業者33商品(2020年2月以降、合計226事業者による249商品)について、一般消費者が商品の効果について著しく優良等であるものと誤認し、新型コロナウイルスの感染予防について誤った対応をしてしまうことを防止する観点から、事業者に対し改善要請を行なった。

2021年12月以降に改善要請がなされたのは、カプセル、錠剤等の健康食品が28事業者28商品、首掛け型空間除菌剤(二酸化塩素)が8事業者2商品、抗ウイルス処理カーテンが2事業者2商品、マイナスイオン発生器が1事業者1商品。

改善の対象となった事業者がオンラインショッピングモールに出店している場合は、当該オンラインショッピングモール運営事業者に対して情報提供も行なっている。

消費者庁は、TwitterやFacebook、LINE公式アカウント等で、こうした広告表示を行なっている商品についての注意を呼びかけている。

医薬基盤・健康・栄養研究所の調べによると、現時点で、新型コロナウイルス感染症に対する予防効果が確認された食品・素材の情報は、見当たらないとしており、予防効果が検討されている商品や素材はあるものの、いずれも予備的な検討で、科学的根拠を示すまでには至っていないという。

同研究所が米国国立医学図書館が作成しているデータベースで調査したところ、インフルエンザや風邪に対する予防効果があるという報告がある場合でも、効果がないとする報告も存在するケースや、効果があるとする報告が1例しかないものなど、根拠に乏しいとしている。また、こうした結果からインフルエンザに予防効果が確認されたとして「新型コロナウイルスに対する効果がある」といった誤った健康情報が流される危険性もあり、注意を呼びかけている。