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ホンダ、世界初の「知能化運転支援」などで交通事故死者ゼロ目指す

Hondaは、開発中の将来安全技術を世界初公開した。既に発表されている全方位安全運転支援システム「Honda SENSING 360」などと合わせ、2050年に交通事故死亡者ゼロを目指す取り組み。

発表されたのは、一人ひとりの能力や状態に合わせ、運転ミスやリスクを減らす世界初のAIによる「知能化運転支援技術」と、人とモビリティが通信でつながることで、事故が起きる手前でリスクを予兆・回避をサポートする「安全・安心ネットワーク技術」の2つ。

ヒューマンエラーゼロを目指す

Hondaはこれまで「ドライバーが不安を感じるミスの根本的な原因は何か?」を解明するため「fMRI」を活用した独自の“人を理解する技術”の研究開発を行なってきた。

「知能化運転支援技術」は、人の行動や状態を理解する技術に加え、ADASセンサー/カメラにより周辺リスクを把握することでAIが運転リスクを検出。最適な運転行動をリアルタイムで算出し、ドライバーの認知状態と交通シーンに応じた適切な運転支援を行なう、世界初の技術。

現在研究開発を進めている次世代の運転支援機能により、一人ひとりの運転行動や状態に合わせた“ミスが無い、リスクに近寄らせない”新たな安全・安心価値の提供を目指す。具体的には以下の3つを提供する。

  • 運転操作ミスをしない(操作アシスト):AIによるフラつき低減、操作遅れ防止を支援
  • 見落とし、予知予測ミスをしない(認知アシスト):視覚・触覚・聴覚でリスクを伝える
    研究開発中の技術:リスクインジケーター、シートベルト制御、立体音響
  • 漫然運転によるミスをしない(覚醒アシスト):眠気や疲労を軽減してくれる
    研究開発中の技術:シートバックから振動刺激するバイオフィードバック

今後は、知能化運転支援技術をさらに進化させ、2020年代前半に要素技術確立、2020年代後半の実用化を目指し開発を継続する。これにより事故原因の90%以上を占めるヒューマンエラーゼロを目指す。

歩行者もクルマもネットワークで繋ぐ

「安全・安心ネットワーク技術」は、路側カメラ、車載カメラやスマートフォンからの情報を通じて検知した交通環境に潜むリスクをサーバーに集約。仮想空間上で交通環境を再現する。仮想空間上では、人の状態・特性を考慮した上で事故リスクの高い交通参加者の行動を予測、シミュレーションし、リスクを回避できる最適な支援情報を導き出す。そうした支援情報を「協調型リスクHMI(ヒューマンマシンインターフェース)」により、四輪/二輪運転者や歩行者へ直感的に知らせることで、事故が起こりうる手前で未然に回避行動を促す。

2030年以降の社会実装に向け、2020年代前半にシステム構築、効果検証を完了させ、2020年代後半に標準化することを目指している。