ニュース

アップルの“パワー全開”。新MacBook Proや第3世代AirPodsが登場

Appleは19日、「パワー全開」と題し、Macと音楽(Music)に関する新製品発表会を開催した。新しいプロセッサ「M1 Pro」「M1 Max」とともに、新しい「MacBook Pro」を発表し、19日から予約を開始、26日より順次発売する。

また、音楽サービスや製品も強化。第3世代「AirPods」を26日より発売するほか、スマートスピーカー「HomePod mini」の新色、480円のApple Music「Voiceプラン」などを展開する。

MacBook Proは新チップM1 Pro/Max搭載

完全に新設計となったMacBook Proは、14インチモデルと16インチモデルの2サイズ展開。カラーはシルバーとスペースグレイの2色で、価格は239,800円から。

最大の特徴はMacのために設計された新プロセッサ「M1 Pro」と「M1 Max」を搭載すること。システムオンチップ(SoC)アーキテクチャを採用し、ユニファイドメモリと増加したメモリ帯域幅により、クラス最高のワット当たりのパフォーマンスと高い電力効率を実現する。

GPUを1チップに統合し、驚異的な性能を発揮する「M1 Pro」「M1 Max」

前世代のハイエンドの13インチモデルとM1 Max搭載14インチMacBook Proを比べると、Final Cut Proでの4Kレンダリングが、M1 Proでは最大9.2倍、M1 Maxでは最大13.4倍高速化しているという。

またバッテリー駆動時間も延長。14インチモデルは、従来より7時間長い最大17時間のビデオ再生に対応し、16インチモデルは最大21時間のビデオ再生に対応する。

iPad Proでも使われている“ミニLEDテクノロジー”によるLiquid Retina XDRディスプレイを搭載。14インチモデルは、14.2型/3,024×1,964ドット。16インチモデルは、16.2型/3,456×2,234ドット。ProMotionテクノロジーにより、最大120Hzの可変リフレッシュレートに対応する。

1080pのFaceTime HDカメラも搭載。OSはmacOS Monterey。3つのThunderbolt 4ポートや、SDXCカードスロット、HDMI出力を装備。充電端子は、新たに設計された「MagSafe 3」となり、30分で最大50%まで充電できる。

M1 Pro/Max搭載の新しい「MacBook Pro」

M1 Pro/Max搭載で2倍速くなった「MacBook Pro」

Final Cut ProやLogic ProもM1 Pro/Max対応

クリエイター向けのアプリケーション「Final Cut Pro」や「Logic Pro」もM1 Pro/Maxに合わせて強化する。

Final Cut Pro 10.6は、iPhone 13とiPhone 13 Proで撮影された「シネマティックモード」のビデオ編集に対応。また、MacBook ProのM1 Pro/M1 Maxをサポートし、8K ProResの7つのストリームをフル解像度で再生でき、ProResビデオを従来の5倍を超える速度で書き出せる。

新しいオブジェクトトラッカーも導入され、ビデオ内の顔やオブジェクトの動きに追随するアニメーショングラフィックをすばやく作成できる。Final Cut Proは36,800円で、既存ユーザーには無料アップデートが行なわれる。

Final Cut Proと連携するMotionとCompressorもアップデート。新MacBook ProでMotionを使えば、プロジェクトのレンダリング速度が最大で2倍に向上。CompressorはHEVCビデオのトランスコードを最大2倍の速度で実行でき、ProResビデオのトランスコードは最大10倍の速度で実行できるという。

Logic Pro 10.7は、空間オーディオに対応。また、Apple Musicに対応するDolby Atmosの音楽ファイルとして、誰でも曲をオーサリングできるようになる。価格は24,000円。

Logic Pro 10.7

空間オーディオに対応した第3世代AirPods

ワイヤレスイヤフォンのAirPodsは、第3世代の「AirPods」となった。デザインを一新するとともに、AirPods Pro/Maxに続き、空間オーディオに対応した。価格は23,800円で、19日から予約を開始、10月26日から販売を開始する。

デザインを一新し、軽量で耳にフィットし、ちょうどよい角度に心地よく収まる形状とした。「一層さりげない外観」のため、第2世代前よりも軸部分が短くなり、メディアコントロールのためにAirPods Proと同様の感圧センサーを装備。耐汗性能と耐水性能の両方を備え、ヘッドフォンとケースのいずれもIPX4等級に適合する。

特別に設計されたドライバとハイダイナミックレンジアンプを搭載し、AirPodsの音質を継承。マイクは、風切音を低減し、通話時に声が明瞭に伝わるように音響メッシュで覆われている。音声コーデックのAAC-ELDに対応し、FaceTime通話時に明瞭で自然な会話ができるという。

新しいAirPodsは、ユーザーの耳への密着度に合わせてリアルタイムで音を調節する「アダプティブイコライゼーション」に対応。低音域と中音域を調整し、密着度の変化によって失われた可能性のある音を補う。

新たに空間オーディオやDolby Atmosにも対応。「オーディオ共有」では、iPhoneやApple TVから2組のAirPodsやAirPods Pro/Maxでオーディオストリームを共有できる。

バッテリー駆動時間は第2世代より1時間長く、再生時間は最大6時間、通話時間は最大4時間。ケースを使った4回のフル充電にも対応し、合計で最大30時間の再生が行なえる。また、ケースはワイヤレス充電ができるMagSafeに対応する。本体重量は4.28g(片耳)、ケースは外形寸法54.4×46.4×21.38mm、重量37.91g。

MagSafeに対応

なお、第2世代AirPodsは16,800円で併売され、AirPods Proの価格も据え置き(30,580円)。

第3世代AirPods登場。空間オーディオ対応で23,800円

Apple Musicに480円のVoiceプラン

音楽配信サービス「Apple Music」には、新たに「Voiceプラン」を追加。月額480円とApple Musicで最も安いプランとなる。

音声アシスタント「Siri」に話しかけて利用するスタイルを想定したプランで、Apple製品のみで利用可能。プランの契約もSiriのみで完結できる。

Apple Musicのすべての楽曲を利用できるが、ロスレスオーディオや空間オーディオの再生には対応しない。それらは980円の個人プランを選ぶ必要がある。日本を含めた17の国と地域で今秋後半から提供を開始する。

Apple Musicに月480円のVoiceプラン

HomePod miniカラーバリエーション

スマートスピーカーの「HomePod mini」には、新色のオレンジ、イエロー、ブルーを追加。11月に発売し、価格は11,880円。既存のホワイトとスペースグレイを合わせると、5色展開となる。

手のひらサイズのスピーカーで、Touchサーフェス、メッシュ生地、音量アイコン、編み込み電源ケーブルなどの全てが同色で統一されている。新しいApple MusicのVoiceプランにも対応する。

HomePod miniに新色。オレンジ、イエロー、ブルー