ニュース

MacBook Proが一新。M1 Pro/MaxやミニLEDディスプレイ搭載

Appleは19日、Macと音楽(Music)に関する新製品発表会を開催し、新チップ「M1 Pro」「M1 Max」を搭載した新「MacBook Pro」を発表した。19日から予約を開始し、26日から店頭でも販売開始する。価格は239,800円から。

完全に新設計となったMacBook Proで、ディスプレイサイズは、14型と16型と2サイズ展開。カラーはシルバーとスペースグレイの2色。最大の特徴は新プロセッサ「M1 Pro」と「M1 Max」を搭載すること。

新チップM1 Pro/Maxを搭載

M1 Pro/Maxは、Macのために設計された初のプロ向けチップ。システムオンチップ(SoC)アーキテクチャを採用し、ユニファイドメモリと増加したメモリ帯域幅により、クラス最高のワット当たりのパフォーマンスと高い電力効率を実現するという。

M1 Proは、8つの高性能コアと2つの高効率コアから成る最大10コアのCPUと、最大16コアのGPUを搭載し、従来のM1より最大70%高速なCPUパフォーマンスと、最大2倍高速なGPUパフォーマンスを実現。M1の3倍近い最大200GB/sのメモリ帯域幅を実現し、最大32GBの高速ユニファイドメモリにも対応する。加えてメディアエンジンにProResアクセラレータを追加し、高速で電力効率の高いビデオ処理を実現する。

最上位のM1 MaxはM1 Proと同じ10コアCPUを搭載し、GPUは2倍の最大32コアとなり、M1より最大4倍高速なGPUパフォーマンスを実現。また、M1 Proの2倍、M1のほぼ6倍となる、最大400GB/sのメモリ帯域幅と、最大64GBの高速ユニファイドメモリも装備。3Dアーティストであれば、シーンの中の複雑なジオメトリやテクスチャを楽に扱えるようになるという。

また、M1 Maxには2つのProResアクセラレータを導入して強化したメディアエンジンも搭載。Final Cut Proで4K ProResビデオストリームを最大30本、または8K ProResビデオストリームを最大7本編集できるとする。

Final Cut Pro

前世代のハイエンドの13インチモデルとM1 Max搭載14インチMacBook Proを比べると、Final Cut Proでの4Kレンダリングが、M1 Proでは最大9.2倍、M1 Maxでは最大13.4倍高速化。Design DaVinci Resolve Studioでのエフェクトのレンダリングが、M1 Proでは最大3.6倍、M1 Maxでは最大5倍高速化されるという。

Logic Pro
Redshift

また、14インチモデルは、これまでより7時間長い最大17時間のビデオ再生に対応。16インチモデルでは、最大21時間のビデオ再生が可能という。

ミニLEDディスプレイで120Hz対応

ディスプレイは、iPad Proでも使われている“ミニLEDテクノロジー”によるLiquid Retina XDRディスプレイ。14インチモデルは、14.2型/3,024×1,964ドット、254ppi。16インチモデルは、16.2型/3,456×2,234ドットで254ppi。1,000nitの輝度、1,600nitのピーク輝度、1,000,000:1コントラスト比を実現し、HDRをサポート。カラーは10億色対応で、P3の広色域に対応する。

また、ProMotionテクノロジーにより、最大120Hzの可変リフレッシュレートに対応する。

ディスプレイの大型化とともに、狭額縁化を図っており、より広い領域にコンテンツを表示できる。また、1080p FaceTime HDカメラを搭載し、M1 Pro/M1 Maxに搭載されている画像信号プロセッサ(ISP)やNeural Engineを活用し、自然なスキントーンでユーザーを鮮明に映し出せる。

M1 Pro
M1 Max

14インチの標準構成モデルは、M1 Proチップ(8コアCPU/14コアGPU)で、メモリ16GB、SSD 512GBで239,800円。M1 Proチップ(10コアCPU/16コアGPU)、SSD 1TBで299,800円となる。CPUはM1 Max、メモリは32GB(M1 Pro)/64(M1 Max)が選択可能で、SSDは最大8TBまで拡張可能。

16インチの標準構成モデルは、M1 Proチップ(8コアCPU/14コアGPU)で、メモリ16GB、SSD 512GBで299,800円。M1 Proチップ(10コアCPU/16コアGPU)、16GB、SSD 1TBで321,800円、M1 Maxチップ(10コアCPU/32コアGPU)、メモリ32GB、SSD 1TBで419,800円となる。

CPUはM1 Pro/Maxを選択できるほか、メモリは32GB(M1 Pro)/64(M1 Max)が選択可能で、SSDは最大8TBまで拡張可能。

スタジオ品質というマイクを搭載するほか、2つのツイータと4つのウーファからなる6スピーカーサウンド・システムも搭載。サウンドシステムは空間オーディオにも対応する。

OSは、最新のmacOS Monterey。FaceTimeには、通話を自然にする新しいオーディオとビデオの機能を搭載するほか、「テキスト認識表示」と「画像を調べる」などの機能を搭載。Safariは「タブグループ」によるタブ整理が導入され、「ショートカット」によってMacでも自動化が簡単になる。

今秋後半には、SharePlayによって、MacユーザーはFaceTime経由で体験の共有ができるようになるほか、ユニバーサルコントロールにより、MacとiPadの間でシームレスに作業できるようになる予定。

なお、macOS Montereyは、10月25日から既存のMacユーザー向けにもソフトウェア・アップデートが行なわれる。

MagSafe 3やHDMI、SDスロットを搭載

接続性も強化。3つのThunderbolt 4ポートのほか、SDXCカードスロット、HDMI出力、ハイインピーダンスヘッドフォンに対応するヘッドフォンジャックを装備。充電端子は、新たに設計された「MagSafe 3」となり、30分で最大50%まで充電できる。

M1 Pro搭載のモデルでは、最大2台のPro Display XDRを接続でき、M1 Max搭載のモデルでは、最大3台のPro Display XDRと1台の4Kテレビを、すべて同時に接続できる。Wi-Fi 6とBluetooth 5.0にも対応する。

筐体はアルミニウム製。14インチモデルの外形寸法は31.26×22.12×1.55cm(幅×奥行き×高さ)、重量は1.6kg。16インチモデルの外形寸法は、35.57×24.81×1.68cm(幅×奥行き×高さ)、重量は2.1kg(M1 Pro)/2.2kg(M1 Max)。