ニュース

出前館、ZHDらから800億円調達。「業界に合従連衡の兆し」

フードデリバリーの「出前館」は、ZホールディングスとNAVERを割り当て先とする第三者割当増資引受を行ない、総額約800億円の資金調達を行なう。

9月13日時点で出前館の株式は、LINEが35.8%、LINEとNAVERの子会社であるNAVER J. Hub が共同で出資する未来Fund有限責任事業組合が25.0%を保有している。今回の資本変更により、LINEとLINEやヤフーの親会社のZホールディングス(ZHD)の直接保有割合合計は最大で41.99%となる。

LINEはこれまでプラットフォーム、マーケティング、人材などの面で出前館を支援してきたが、資本変更後も引き続き継続。今後はZHDグループとして、出前館のデリバリー事業の拡大を支援していく。

出前館は今回の新株式発行について、「国内フードデリバリー市場は、特に直近1-2年の新規参入者の増加を背景に、競争環境は厳しさを増しており、ユーザー、加盟店、配達員の獲得競争の最中にある。厳しい競争環境のもと一部事業者の撤退や事業統合など、業界の合従連衡の兆しも見えてきている。将来にわたり成長していくためには、より一層のユーザー、加盟店、配達員の獲得を進めることで圧倒的な市場シェアを獲得することで収益性を高め、プロダクト改善によるユーザー体験の向上、加盟店売上高の増加、配送効率の向上を実行し、流通量No.1プラットフォームとしての地位を揺るぎないものとすることが肝要」と説明。出前館の市場シェア拡大策と成長投資の実行のため、2024年2月末までに650億円を運転資金(マーケティング費用)に、100億円を設備資金(システム強化/開発資金)に、50億円を運転資金(配達員増強資金)に充当する。