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好みのキャラを「自動生成」。PFNのデジタル素材作成システム

Preferred Networks(PFN)は、キャラクターや高精細な3Dモデルを自動生成できる「デジタル素材生成システム」開発した。クリエイティブ産業向けに開発されたもので、アニメーション、映画、ゲーム、広告等の制作を支援する。

キャラクター自動生成と、高精細3Dモデル生成の2つの機能を持つ。キャラクター自動生成は、深層学習を活用したキャラクター生成プラットフォーム「Crypko(クリプコ)」を使用。制作者が定義した顔のパーツ、表情、髪の色などに合ったキャラクターの2DCGを自動生成できる。Crypkoは従来、顔のみの生成が可能だったが、上半身まで自動生成が可能になり、より高い解像度で生成できるようになった。

高精細3Dモデル生成では、実物のアイテムを専用3Dスキャナーで撮影することで、高精細な3Dモデルを自動生成する。様々な材質や大きさの被写体に対応し、小型のアイテムなら約6時間の撮影作業で当日中に200点以上の3Dモデルを生成できる。生成したモデルは、市販の編集ソフトなどで加工が可能。

実物の写真
生成した3DCG

また、今回のシステムを使用した映像作品第一弾として、バーチャルシンガー「HACHI」(RK Music所属)の楽曲「20」をフィーチャーした短編動画(企画・制作:PFN、キングレコード、ポリゴン・ピクチュアズ)を公開した。

動画中の主人公はキャラクター自動生成システムが生成したキャラクターを元にデザインし、スマートフォンや背景の文房具などのアイテムは高精細3Dモデル生成機能により実物から生成した。動画に登場するギターの3DCGは、細部の質を上げるため外部クリエイターと共同作業し、精細なデジタル素材を作成した。

デジタル素材自動生成システムは、経済産業省の令和元年度補正予算「コンテンツグローバル需要創出促進・基盤整備事業費補助金(J-LOD)」第4弾の採択事業として開発されたもの。