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LINE証券が口座数初公開 約1年で31万件。2021年「iDeCo」開始

LINE証券は29日、初めて口座数を公開。2019年8月のサービス開始から1年で、口座開設数31万口座を突破し、月間国内株式売買代金も980億円を超えるなど、成長が続いている。また、2021年からiDeCoの提供を開始することを明らかにした。

当初は、いちかぶ(単元未満株)やETFからスタートし、初心者向けを想定していたが、投資信託やFX、現物取引・信用取引など「フルラインナップ」に拡充。ユーザー層も、20~30代で50%を超えるなど若い利用者が多いが、50~60代の投資経験者も増加しているという。

さらにラインナップ拡充を続け、少額でも投資できる「いちかぶ(単元未満株)」の取扱銘柄数を、10月5日から現在の300銘柄から1,000銘柄へ大幅に拡大する。これにより、単元未満株取引の取扱銘柄数は業界No1となり、時価総額ベースで国内株式の88%をカバー。いちかぶ(単元未満株)の取引を活用しながら、現物取引(100株単位)の本格的な取引をするなど、取引スタイルに合ったポートフォリオも組みやすくなるという。

さらに2021年には野村ホールディングスと連携して「iDeCo」(個人型確定拠出年金)を提供開始する。また、マネーフォワードのAPI連携も年内に開始予定。長期的な資産管理の利便性を高めていく。

スマホ証券→フルラインナップの証券サービスに

コロナ禍において、金融機関が「対面」での営業が困難となっている。そうした中でも、LINE証券は、eKYCによる口座開設など、非接触かつ非対面で事業展開できることから、新規口座開設数はコロナ前の約2倍に増加しているという。

LINE証券の落合紀貴代表取締役Co-CEOは、LINE証券の強みを8,400万のLINEユーザーにアクセスできること、スマホ特化、野村ホールディングスとの連携による信頼性、独自のキャンペーンによるユニークな商品提案の4点で解説。

これまでの「ネット証券」は機能や商品は充実していたが、PCに最適化し、スマホでは使いにくいという課題があった。そのため、LINE証券の発足当初は、初心者や若年者向けのスマホ証券としてスタートした。

しかし、実際には投資経験者の利用も多く、また未経験者でも次のステップに進みたいという声が多かったという。そうした声を受け、商品選択肢を拡充。投信やFX、信用取引などのフルラインナップの証券会社としての展開を強化してきた。また、LINE証券でも8月にPCからの取引に対応、機能・商品ともに充実した新たな証券サービスとして展開していく。

フルラインナップ化

LINE証券のユーザー層は、20代が23%、30代が30%と若い世代が多い点も特徴。LINE証券を利用する理由も「LINEから使える」が73%と最も多く、ついで「手数料が安い」となっている。口座開設者は男性が67%、投資経験者は42%。

口座開設数は前述の通り31万口座で、月間国内株式売買代金も980億円超。信用取引口座も2万口座を突破し、店頭FXの月間売買代金は2.4兆円。2020年に100万口座、営業収益100億円を目指す。

今後はiDeCo対応とともに、セキュリティ強化も予定。出金口座登録・変更時にメッセージで通知するなど認証機能を強化する。NISAや外国株式への対応については、「ユーザーニーズなどをみながら優先順位を付けてやっていく」(落合Co-CEO)とした。