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スマホでムスリム・ヴィーガン向け食品を自動判別。ドコモ、セブン&アイ

判定イメージ

セブン&アイ・ホールディングス、NTTドコモ、フードダイバーシティは、東京都内のイトーヨーカドー6店舗でムスリムやヴィーガン(完全菜食主義者)向けの「食品判定システム」の実証実験を開始する。期間は3月16日から5月31日。

近年、ムスリムやヴィーガンなど“食の禁忌”を持っている人の訪日が増加。そうした“食の禁忌”を持つ人が日本で食品を購入する場合、翻訳アプリを利用するなど、日本語で書かれた原材料名を頼りに内容を吟味する必要があるという。

こうした課題を解決するため、ドコモとフードダイバーシティは“食の禁忌”を持っている人が購入可能な商品かどうかの判断をサポートする「食品判定システム」を2018年9月に開発。

今回、「食品判定システム」にセブンプレミアム商品の原材料やパッケージなどをデータ連携。ムスリムやヴィーガンの人が、より日本で食品を購入しやすくなるよう、初めて流通小売企業と直接連携した実店舗での実験を行なう。

対象店舗は東京都内のイトーヨーカドー6店舗(大森店、大井町店、アリオ北砂店、曳舟店、食品館三ノ輪店、食品館新宿富久店)。実験では、フードダイバーシティのムスリム・ベジタリアン向け食事アプリ「HALAL GOURMET JAPAN」を利用。アプリの利用料金は実験期間中無料。対応端末はAndroid 4以上、iOS 8以上。

アプリを使い、店舗内の商品棚をスマホで撮影すると、ムスリムやヴィーガンの人が食べてもいいものかどうかについて、アプリが判断材料となる情報を表示する。例えば、ムスリムフレンドリーかつヴィーガンフレンドリーなアイテムには水色の枠が表示され、ムスリムとヴィーガンの人が口にできないと思われるアイテムには黒または灰色の枠が表示される。

食品判定システムでの色分け

ムスリムフレンドリーなアイテム:ピンク色
ヴィーガンフレンドリーなアイテム:黄色
ムスリムフレンドリーかつヴィーガンフレンドリーなアイテム:水色
ムスリム、ヴィーガンの方が口にできないと思われるアイテム:黒または灰色
未登録および認識ができないアイテム:白色

判定対象となる商品は、セブン&アイグループのプライベートブランド「セブンプレミアム」の食品約2,900アイテム。

アプリにはドコモが開発した「商品棚画像認識エンジン」を活用。ドコモのAI技術を活用した画像認識で、複数の商品が写った写真から、個々の物体の位置を検出する“物体検出”と、検出した物体を画像データベースと照合させ、どの商品に該当するかを特定し、認識する“特定物体認識”の大きく2つの技術があるという。