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生分解性・海洋分解性を有する新素材「海洋生分解性LIMEX」

TBMとダイセルは、生分解性・海洋分解性を有する環境配慮型の新素材「海洋生分解性LIMEX(仮称)」の開発を開始。飲食品容器や農漁業用品のほか、身の周りにある文房具やおもちゃなど、幅広い用途での採用を目指す。

TBMは、石灰石を主原料とし、原料に水や木材パルプを使用せず、紙の代替や石油由来原料の使用量を抑えてプラスチック代替となる素材「LIMEX」を開発・製造・販売している。

ダイセルは、植物由来のセルロースと天然に広く存在する酢酸を原料として製造される、酢酸セルロースの生産を1938年から手掛けている。酢酸セルロースは、各種プラスチックや液晶保護用などの各種フィルム、衣料用繊維などの原料として使用され、使用後はセルロースと酢酸に戻り、さらに生分解されて水と二酸化炭素に戻るとしている。

海洋生分解性LIMEXは、豊富に存在する石灰石と生分解性を備える酢酸セルロースなどを原料に使用する新素材。日本国内における廃棄物の海洋流出リスクへの対応や、東・東南アジアの発展途上国における世界の海洋プラスチック流出量の多くを占めている現状および経済発展とともに高まるプラスチック需要から、国内外で海洋生分解性の素材に対する期待が高まっているという。

これらに対しTBMとダイセルは、2020年度中を目標に海洋生分解性LIMEXの共同開発を進め、海洋プラスチック問題の解決に向けて取り組むとしている。