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JR西日本、終電時刻繰り上げを検討。保守人員確保と深夜利用減

深夜時間帯の利用が減少

JR西日本は、最終電車(終電)の時刻繰り上げなど、深夜帯ダイヤの見直し検討に着手した。24日の社長会見で明らかにしたもので、保守作業員の人員確保や、主要駅における深夜時間帯の利用減少などを理由としている。

線路などの保守作業は、終電から始発までの夜間の限られた時間で作業が行なわれる。近畿エリアでは、土日を含めて日々100カ所以上、1,500人の社員や建設会社作業員が従事しているが、この10年で線路保守に従事する作業者が23%減少しているという。

これには、土日休日の休みが取りにくく、働きにくい労働環境が影響しているとする。そのためJR西日本は、レールの継ぎ目を取り除くなど、少ない人数でメンテンナンスできるような取り組みや、機械化を進めている。

働き手の減少で鉄道工事の労働環境の改善が急務に

同時に利用者の側にも変化が起きており、主要駅での帰宅時間が早まり、深夜時間帯では利用が減少しているという。2013年と2018年の比較では、24時台の大阪駅は83%、京都駅は88%、三ノ宮駅は81%となっている。

こうした環境変化を踏まえ、24時以降の最終電車時刻を繰り上げる、深夜帯ダイヤの見直し検討に着手。これにより、夜間の作業時間拡大と、一晩あたりの作業量の増加につなげ、夜間作業の総日数を削減。作業員が休日を取りやすく、若い働き手が従事しやすくなる環境を目指す。

仮に大阪駅の最終電車を24時に繰り上げると、概ね年間10%ほどの作業日数減少が見込まれるという。

今後は、他の鉄道との乗り換え利便を含めた最終電車付近のダイヤ調整や、夜の都市観光(ナイトタイムエコノミー)における市中イベントや観光施設などの深夜営業動向などを勘案し、検討を進めていく。

山陽新幹線 広島駅などにホーム柵

また、駅ホームの安全性向上に向け、5駅10のりばにホーム柵を設置することも発表した。

広島駅は、山陽新幹線の11番のりばと、14番のりばに可動式ホーム柵を設置。11番のりば(博多方面)は2020年度、14番のりば(東京方面)は2021年度に整備予定。

JR京都線 京都駅は2番のりばと5番のりばに昇降式ホーム柵を設置。使用開始時期は2021年度。

JR神戸線 神戸駅は、2番のりばと5番のりば昇降式ホーム柵を設置。使用開始時期は2020年度。JR神戸線 西明石駅は、5番のりばと6番のりばに昇降式ホーム柵を設置。使用開始時期は2021年度。

大阪環状線 鶴橋駅は、1番のりばと2番のりばに可動式ホーム柵を設置。使用開始は2020年度を予定している。