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ソフトバンク、基地局を利用した誤差数cmの測位サービス

ソフトバンクは、RTK測位によって誤差数cmで測位が可能なサービスを、11月末から法人向けに提供開始する。また、サービス提供開始に先駆けて、ヤンマーアグリ、鹿島建設、SBドライブと連携し、自動運転やドローンの自動制御など、各産業での実用化に向けた共同実証を7月から順次行なう。

サービスイメージ

このサービスは、準天頂衛星「みちびき」などのGNSS(GPSなどの衛星測位システムの総称)から受信した信号を利用し、固定局と移動局の2つの受信機でリアルタイムに情報をやりとりするRTK測位を行ない、誤差数cmの測位を可能にするもの。

ソフトバンクは、自社の基地局の設置場所を活用し、RTK測位に必要となる独自基準点(固定局)を全国3,300カ所以上に設置。全国に高密度で基準点を配備することで、短い時間で安定的な測位とハンドオーバーが可能になり、基準点をまたぐような長い距離を移動する際も、継続して高精度な測位ができる。なお、ソフトバンクの独自基準点は、座標特定に国土地理院が設置している約1,300カ所の電子基準点を活用して運用する。

ソフトバンクの独自基準点が受信した信号を基に、「測位コアシステム」で補正情報を生成し、ソフトバンクのモバイルネットワークを通して農機や建機、自動運転車、ドローンなどに搭載されたGNSS受信機(移動局)へ補正情報を配信する。

この補正情報と、GNSS受信機が受信した信号を活用してRTK測位を行なうことで、誤差数cmの高精度な測位がリアルタイムで可能になる。なお、測位コアシステムの提供、補正情報の生成およびGNSS受信機への配信は、このサービス提供に当たってソフトバンクとイネーブラーが共同で設立した、ALESが行なう。

このサービスを利用し、農機やバスなどの自動運転、運転アシスト(ヤンマーアグリ、SBドライブ)やドローンの自動制御を用いた建設現場管理(鹿島建設)などに活用する共同実証を7月に実施する。

またソフトバンクは、安価に導入できる専用のGNSS受信機を独自開発。GNSS受信機がなくてもクラウド上でRTK測位を行なえるサービスの開発も進めているという。