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ポチるだけで翌日から住める賃貸「OYO LIFE」。敷礼ゼロで家具・家電付き

ヤフーと、インドのホテル運営会社OYOとの合弁会社OYO TECHNOLOGY&HOSPITALITY JAPANは、3月28日より、スマホで物件探しから入居ができる賃貸サービス「OYO LIFE(オヨ ライフ)」を開始。関連新サービス「OYO PASSPORT」等の説明も含めた記者発表会を実施した。

OYO LIFEの主な特徴は、敷金・礼金・仲介手数料といった初期費用がかからないこと、物件探しから契約、引越しまでを短期間で行なえること、家具・家電やWi-Fi完備であること。

さらに、入居後1カ月間は、家事代行、カーシェアリング、家具・家電・インテリアのレンタルといった、提携企業のサービスが無料で受けられることも大きな特徴として発表された。

そのほか、オンラインだけではなく街の不動産店舗でも紹介できるサービス「OYO Partner 不動産」も開始し、六本木や麻布十番など、都内で30店舗展開することが決まっている。

また、契約の前に試し住みができる、いわゆるフリーレントサービスを、徐々に検証しながら年内に実施予定としている。

入居手続きの手間と初期費用を削減

OYO TECHNOLOGY&HOSPITALITY JAPAN CEO 勝瀬博則氏

OYO TECHNOLOGY&HOSPITALITY JAPAN CEOの勝瀬博則氏は、通常の引越しには、物件を探して引越すまでの間に、部屋探しや内覧、比較検討、契約、引越し準備、セットアップと、引越し先への訪問の手間や30日以上の日数がかかると説明。

通常の引越しの場合

あわせて敷金・礼金や家具・家電、退去物件のクリーニング費用などの初期費用がかかることが、自由に引っ越したいという気持ちを阻害していると話す。

1つ目の契約から引越しまでの手間について、OYO LIFEでは物件検索から予約までオンライン上で、短時間で完了できることを強調。

OYO LIFEのWebサイトやアプリで、住みたい地域の駅名検索や表示されている駅名をクリックすると物件が表示。気に入った物件があれば「予約する」をクリック。携帯電話を利用した認証等を通して、必要な情報を入力して「今すぐ予約する」とすれば、最短翌日から住み始めることができる。

駅名入力や表示されている駅名をクリック
物件が表示される
「予約する」をクリック
必要な情報を入力して予約できる

OYO LIFE物件の居室設備は、洗濯機、冷蔵庫、掃除機、テーブル、電気ケトル、ハンガー、ゴミ箱、TV、電子レンジ、エアコン、ベッド、デスク、チェア、居室照明器具、ラグ、バスマット、遮光・レースカーテン、タオル、シーツ、キッチン用具、食器、Wi-Fi。

2つ目の初期費用に関しては、敷金等を住む月数で割って賃料に乗せると、それは隠れている実質賃料として考えることができると指摘。特に住む期間が短ければ、それだけ実質賃料は高くなる。

初期費用による実質賃料のイメージ

その点、OYO LIFEの契約は1カ月からで、敷金・礼金・仲介手数料などの支払いは不要。90日まではWebでの申込みが可能で、それ以降も住みたい場合は、別途書面での定期借家契約をすることにより、長期間住むこともできる。

こういったサービスについて、OYO LIFEではキャッチコピーで「旅するように暮らす」としている。さらに予約について勝瀬氏は「ホテルを予約するように予約」できると述べた。

すべての物件は駅近で便利なロケーションであることもアピール。また、OYOはIoTベースのホテルの会社であり、そのIoTを利用した最新のデバイスを部屋に備えるとする。何かトラブルがあったときには、スマホのアプリでコンシェルジュがサポートするという。

そして、これらのサービスは、1月から目標を立て、すべてのサービス、アプリ、部屋の提供者まで、わずか100日で作っていることをアピールした。

その結果として、OYO LIFEの事前登録者数は13,205、契約室数は1,008、稼動室数は470、稼働率は114%。稼働率が100%を超えている理由は、まだ入居受け入れ準備が完了していない部屋にも事前申込みが入っているため。

OYO LIFEの月額費用の目安は、マンションタイプで10万円から100万円、一軒家タイプで30万円から100万円、シェアハウスタイプで5万円から8万円。共益費、清掃費は別途。

“旅するように暮らす”ためにサブスクサービスと提携

OYO LIFEでは、“旅するように暮らす”を実現するため、家事代行やカーシェアリングといったサブスクリプションサービスを、入居後1カ月間無料で利用できる「OYO PASSPORT」を入居者に提供。


    提供されるサービス(提携企業)は以下のとおり。
  • 駐車場ステーションで車中泊・テント泊ができる車中泊スポットのシェアリングサービス「Carstay」(Carstay)
  • シェアオフィス「KEY STATION」(Keeyls)
  • 個人間カーシェアリングサービス「Anyca」(ディー・エヌ・エー)
  • 家電・日用グッズのレンタルサービス「Alice.style」(ピーステックラボ)
  • 家事代行サービス「ベアーズ」(ベアーズ)

また、シェアリングエコノミー協会とも提携している。

このサービスは、入居者にとってのメリットのほか、提携するパートナー企業にとっては、入居者にサービスを実体験してもらえるというメリットがあるという。今後は200以上のサブスクリプションサービスの提供を目標としている。

リアル店舗で取扱物件を紹介する「OYO Partner 不動産」

OYO LIFEの物件はオンラインだけではなく、不動産屋で紹介するサービス「OYO Partner 不動産」も展開。記者発表会では、パートナー企業の1つであるMINATO STYLE代表取締役 都筑友哉氏のコメントが紹介された。

OYO LIFEとの取り組みを行なうことで、不動産業者にとっては、短期の賃貸物件の紹介が可能となることにより、幅広い利用者ニーズに対応ができ、新たな顧客層の獲得につながると考えているという。また店舗の外観にはロゴを掲示している。

勝瀬氏は、パートナーになることのメリットを訴求。加盟料、システム利用料、保証料、ロイヤリティ、広告負担費がすべて0円であることや、宅建保有者は法人でも個人でも加入ができることを説明した。

ミッションは質の高い生活を創造すること

OYO CEO リテシュ・アガルワル氏は、グローバルでは所有ではなく、賃貸がトレンドとして広がっていることを説明。

OYO CEO リテシュ・アガルワル氏

その中で、東京は今までもこれからも世界の経済都市であり、成長している住宅用不動産マーケットであると話した。

またOYOは、不動産、ホスピタリティ、テクノロジーの3つのコンビネーションを持っており、どのようなインテリアデザインや価格が利用者に適応するかを、ビッグデータを元に解析し、美しいデザインのスペースを手ごろな価格で提供できるという。

Yahoo! JAPANとOYOのパートナーシップにおけるミッションは、質の高い生活を想像することとした。

ヤフー 代表取締役社長 CEO 川邊健太郎氏は、OYOとの合弁会社設立の背景を説明。

ヤフー 代表取締役社長 CEO 川邊健太郎氏

ヤフーが目指すこととして、Yahoo! JAPANのサービスを通じてユーザーの生活をびっくりするほど便利にすることとした上で、オンラインをさらに便利にするだけではなく、オフラインをオンラインの技術で便利に変えていくと話した。

またヤフーでは、ソフトバンク・ビジョン・ファンドとの連携により、世界の様々なユニコーン企業との連携を展開している。

その第1弾がPayPayであり、第2段がOYOだという。PayPayはインドの決済サービス事業者 Paytmとの連携によるものであることも紹介した。

さらに不動産に関連し、Y!検索での賃貸物件関係の検索回数は1,000万回/月、Y!不動産は660万ユニークユーザー/月、Y!トラベルは1,000万以上のユーザーがいることを説明した。

OYO LIFEは、ヤフー各サービスとの連携を予定。さらには、PayPayを利用してのオンライン決済対応も計画されている。

左から、川邊健太郎氏、リテシュ・アガルワル氏、勝瀬博則氏