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キリンとヤフーが共同研究。「プラズマ乳酸菌」で労働パフォーマンスが向上

キリンとヤフーは、キリングループが研究を進めているLactococcus lactis strain Plasma(プラズマ乳酸菌)の労働パフォーマンスにおける効果を協働で検証。プラズマ乳酸菌の摂取により、体調が良好に維持され、活気が高くなり、労働パフォーマンスの指標が向上することが確認された。

全体的な体調、せき・のどの痛み、鼻水・鼻づまり、倦怠感が改善

試験は、ヤフー本社に勤務する20歳から65歳までの223名の従業員を対象に、2017年11月下旬から2018年2月下旬にかけて実施。

被験者をランダムに2つのグループに分け、片方のグループにはプラズマ乳酸菌を4週間摂取(プラズマ乳酸菌摂取期間)した後に、4週間の摂取しない期間(非摂取期間)を設定した。もう片方のグループには、順番を入れ替えて非摂取期間、プラズマ乳酸菌摂取期間の順に実施。各期間中に、アンケートで体調、気分、労働生産性の評価が行なわれた。

体調については体調記録日誌を、気分については気分プロフィール検査(POMS)を、労働生産性についてはWHO健康と労働パフォーマンスに関する質問紙(WHO-HPQ)を用いたという。

試験の結果として、プラズマ乳酸菌摂取期間では、非摂取期間に比べて、全体的な体調、せき・のどの痛み、鼻水・鼻づまり、倦怠感の改善、気分の活気の向上、労働生産性の絶対的プレゼンティーズム(出勤はしているが何らかの健康問題によって業務の能率が落ちている状態)の約5%向上といったデータが得られたという。

左:気分の活気が向上、右:労働生産性の絶対的プレゼンティーズムが約5%向上

この研究成果は、10月26日の日本公衆衛生学会で発表され、主観的な労働パフォーマンスの変化を食品において世界で初めて示したとしている。

キリンは、ウイルス感染防御の司令塔であるプラズマサイトイド樹状細胞(pDC)を活性化する乳酸菌としてプラズマ乳酸菌を発見し、これまでさまざまな科学的エビデンスを取得。プラズマ乳酸菌を摂取することで、複数の免疫指標が向上することや、冬季の風邪・インフルエンザ様症状の発症リスクが低減することを確認している。

これらの成果は、従業員の労働生産性など労働環境における重要なリスクである、風邪やインフルエンザといった感染症による病欠・パフォーマンス低下に、プラズマ乳酸菌が貢献できる可能性を推定。そこで、労働環境改善の観点からヤフー本社従業員を対象にしたプラズマ乳酸菌の労働パフォーマンス改善効果の検証を共同研究として行なったという。