ゲーミングノートを冷やして利便性を向上！「ノートPCクーラー」導入のススメ

2025年10月9日 [便利アイテム]

ゲーミングノートを冷やして利便性を向上！「ノートPCクーラー」導入のススメ

芹澤正芳

　設置場所を取らない、持ち運びが可能、高い性能で仕事も普段使いも快適ということもあってゲーミングノートは人気だが、その⾼性能ゆえに発熱も大きめだ。今回は熱暴走を抑えるために冷却を強化し、角度を付けることで、別途マウスやキーボードを使ったプレイが快適になる「ノートPCクーラー」にスポットを当てたい。

今回はノートPCクーラーの効果をチェックする

■ 対策が施された最新ノートでもやはり発熱は高い

　まずは最新ハイエンドノートPCで、どこがどのくらい熱を持つのかをチェックしてみよう。

　用意したのは16型のゲーミングノート「GALLERIA ZL9R-R57T-6」だ。CPUにAMD最新世代の16コア32スレッドで最大5.4GHz動作のRyzen 9 9955HX、GPUにNVIDIA最新世代のGeForce RTX 5070 Ti 12GB Laptop GPUを搭載するハイエンド仕様。240Wの高出力ACアダプタで動作となり、当然ながら発熱も大きめだ。

テストに用意した16型のゲーミングノート「GALLERIA ZL9R-R57T-6」

　テストの条件は、ノートPCの動作モードは「バランス」でサイバーパンク2077を画質プリセットで最上位のレイトレーシング：オーバードライブ、フルHD解像度、DLSS“バランス”、マルチフレーム生成4xの設定で10分間動作させたときの温度をサーモグラフィーとシステム監視アプリの「HWiNFO Pro」で測定するというもの。室温は25℃だ。

底面から吸気して背面から排気する構造
最近のゲーミングノートは背面に排気を集中させて正面から動作音を聞こえにくくする作りをよく見る

ノートPCクーラーのない状態。キーボード中央部分の温度が高くなり、下部で51.1℃、上部で49.3℃

　サーモグラフィー画像を見てみると、キーボードの中央付近の温度が高くなっている。触れないほどではないが、しっかりと熱を感じるレベルだ。しかし、ゲームプレイによく使用するWASDキー周辺の温度はあまり高くなっていない。プレイに影響が出ないように考えられた冷却システムと言える。

サイバーパンク2077/10分間プレイ時のCPUとGPUの平均温度

　ハイスペックなPCということもあり、CPUとGPUの温度はそれなりに高くはなるものの、実用上の問題、たとえばゲームのプレイ中にパフォーマンスが極端に落ちるとか、ゲームやPCそのものが落ちてしまうといったことが生じるようなものではない。最新鋭のゲーミングPCの十分な熱対策の効果がうかがい知れる結果と言えそうだ。

　とはいえ、ゲームや仕事、学習などで、長時間使用することを考慮すると、やはり何らかの追加の熱対策をしたほうがよいだろうか。そこで、登場するのが「ノートPCクーラー」だ。

■ 大型サイズの安定感！エレコム「SX-CL22LSV」

　ドスパラでは、ノートPCクーラーも数多く取り扱っている。その中から今回は2製品を取り上げ、ドスパラのゲーミングノートPCを使い、どこまで温度が変わるのか試していく。まず紹介したいのが、エレコムの「ノートPC用クーラー（角度調節・強冷タイプ） SX-CL22LSV」だ。

エレコムの「ノートPC用クーラー（角度調節・強冷タイプ） SX-CL22LSV」。ドスパラでの価格は3,979円

　本体サイズは390×290×33mmと15.4～17型のノートPCをしっかりと設置できる大きさ。熱伝導率に優れるアルミパネルに20cm径の大型ファンを搭載し、最大で約10℃の冷却効果を発揮するという高冷却タイプながら、動作音はささやき声程度の30dB-Aとオフィスや深夜の自宅でも使いやすいのが特徴だ。重量は約785g。

　高さは4段階に調整でき、平らの状態ならノートPCのキーボードをそのまま使いやすい。別途キーボードとマウスを使うなら立てて使うのがよいだろう。動作はノートPCのType-A形状のUSBポートに接続するだけとお手軽だ。⾵量はプッシュ式のスイッチで強と弱の2段階で調整できる。

一番高い角度で設置したところ。16型のゲーミングノートPCもしっかり収まる

高さは4段階に調整可能
20cm径の大型ファンを搭載

角度を付けたときノートPCを安定して置くためのスリップ防止用ラバーパーツを下側に取り付けできる
背面には電源スイッチと風量を2段階に切り替えできるプッシュ式ボタンが用意されている

ノートPCのType-A形状のUSBポートに接続することで動作する

■ 角度や向きの調整が自由自在！サンワサプライ「TK-CLN30U」

　次に紹介するのはサンワサプライの「スタンド型ノートPCクーラー TK-CLN30U」だ。本体サイズは240×222×46mmと比較的コンパクトながら10.1～17.3型まで幅広いノートPCに対応。10cm径の静音ファンを1基搭載している。重量は930gだ。

サンワサプライの「スタンド型ノートPCクーラー TK-CLN30U」。ドスパラでの価格は5,680円

　最大の特徴は、二つのヒンジによって角度と高さを無段階で調整できること。目線や好みに合わせて微調整しやすくなっている。さらに台座は360°回転できるので向きも自由自在。付属の六角レンチでヒンジの固さも調整できる。動作はノートPCのType-A形状のUSBポートに接続でOK。ダイヤルで風量も細かく調整が可能だ。

比較的小型のスタンドだが16型のゲーミングノートPCも安定して設置可能

二つのヒンジによって角度と高さを無段階で調整できる
10cm径のファンを搭載

ダイヤルで風量を調整できる。USBポートは二つあるが一つは給電用、もう一つはUSBハブとして利用できる
こちらもノートPCのType-A形状のUSBポートに接続で動作

■ ハイエンドのゲーミングノートで確かな冷却力の向上を確認

　それでは、実際に冷却力がどこまで変わるのかテストしてみよう。テスト条件およびテスト方法は前述のとおり。10分間の使用テストでノートPC単体時とどの程度差が出るか見どころだ。

エレコム SX-CL22LSV使用時。赤い部分が明らかに減り、下部で48℃、上部で46.4℃まで下がった

サンワサプライ TK-CLN30U使用時。こちらも赤い部分が減り、下部で48.5℃、上部で46.0℃まで下がった

　サイバーパンク2077はCPUとGPUの両方にガッチリ負荷のかかる重量級ゲームだ。CPUとGPUの平均温度はあくまでHWiNFO Proでの数値だが、ノートPCクーラーはとくにGPUで効果が高くエレコム SX-CL22LSVで2.9℃、サンワサプライ TK-CLN30Uで6.7℃の温度低下を確認できた。