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鮮やかホワイトと深みのあるブラックから選べるミドルレンジマザー！ドスパラ限定・ASRock「B850 Challenger WiFi」＆「B850 Challenger WiFi White」

芹澤正芳

　PCパーツショップとして30年を超える歴史を持つドスパラでは、同店プライベートブランド“ドスパラセレクト”や、メーカーとの協力による“ドスパラ限定商品”といった、ドスパラでだけ購入できる製品も多数取り扱い中だ。

　そんな中から今回は、ドスパラ限定モデルとして販売しているASRockのAMD B850チップセット搭載マザーボード「B850 Challenger WiFi」の2モデルを紹介する。細部にまでこだわったブラックとホワイトの2色展開が特徴のミドルレンジ製品で、手頃な価格ながらも「ここは削って欲しくない！」と思う部分をしっかりと残した、バランスのよい仕上がりが魅力的だ。

• ASRockのB850チップセット搭載マザーボード「B850 Challenger WiFi」。販売価格は23,980円(税込)
• こちらはホワイトカラーの「B850 Challenger WiFi White」。販売価格は24,980円(税込)。カラー以外は同スペック

■ 12+2+1フェーズの電源回路と8層PCB基板を採用

　ASRockの「Challenger」はビデオカードを中心に性能と価格のバランスに優れたエントリークラスのシリーズだ。それが今世代からマザーボードにも展開されることになった。その内容は、エントリーというよりはミドルレンジと言える充実ぶり。“予算2万円台半ば”で“機能が充実”したB850チップセット搭載マザーボードを求めているなら注目だ。

　まず特徴的なのが徹底したカラーリングの統一だ。ブラックのB850 Challenger WiFi、ホワイトのB850 Challenger WiFi Whiteの2モデルが販売されているが、どちらもヒートシンク、メモリスロット、コネクター類に至るまで、徹底して同色のカラーに仕上げられている。白なら白、黒なら黒、と色を統一してPCを自作したい場合には、これ以上なくピッタリのマザーボードだ。

• 左がB850 Challenger WiFi White、右がB850 Challenger WiFi。細部にわたって色を統一しているのが見て取れる

　PCの“足回りの安定性”を左右する電源回路は、Dr.MOSを採用した12(VCORE)+2(SOC)+1(MISC)フェーズ構成だ。厚く、大きめのヒートシンクが採用されており、高負荷の状態が長時間続いても安心だろう。また、エントリークラスのマザーボードは6層基板が多いが、本製品では銅層を含む8層PCB設計で信頼性や放熱性を高めているのもポイントだ。お手ごろな価格の製品ながら、装備と設計はかなり充実している。

• 12+2+1フェーズの電源回路を搭載。それほど大規模ではないが上位CPUにも十分対応できる。大型ヒートシンクで冷却力も確保
• CPUの補助電源（EPS12V）は8ピン×2基だ

■ 使いやすく実用的ながら価格も考えた構成のスロット類

　拡張性に触れていこう。SSD用のM.2スロットはCPU直結のPCI Express 5.0 x4が1基、チップセット経由の同4.0 x4が1基と、最近のATXマザーボードとしては少なめだが、両方にヒートシンクを搭載。5.0 x4のM.2スロットには、高速だが発熱の大きいPCI Express 5.0対応SSDを意識してヒートシンクはかなり厚めのものを採用している。ワンタッチで取り外せるツールレス設計となっており、このあたりも低価格モデルながら使い勝手もよい。4.0 x4側のヒートシンクは、コスト優先でネジによる固定式だ。なお、M.2スロットへのSSD固定はどちらもフックを回すだけと簡単だ。

　M.2スロットはこのほか、Wi-Fiカード用のものが用意されており、Wi-Fi 7/Bluetooth 5.4対応カードが装着済みだ。

• M.2スロットは2基用意されている。すべてにヒートシンクを搭載

• PCI Express 5.0対応M.2スロットのヒートシンクは分厚く、ワンタッチで外せる
• ヒートシンク側、スロット側の両方にサーマルパッドを搭載して冷却力を強化している

　PCI Expressスロットは4基用意されている。CPUソケットに近いのはCPU直結のビデオカード用でPCI Express 5.0 x16仕様、一番遠い位置もCPU直結でx16形状のPCI Express 4.0 x4仕様、残りはチップセット経由でPCI Express 4.0 x1スロットが2基となっている。PCI Express 5.0 x16スロットとほかが2スロット以上離れているので、厚みのあるビデオカードを搭載してもほかの拡張スロットが埋まりにくい設計なのはナイスだ。

　また、PCI Express 5.0 x16スロットは重量のあるビデオカードも安心して取り付けられる強化型だが、特別な着脱機構などは持たないスタンダードなもの。このあたりは上位モデルとの差別化だろう。

• 拡張スロットは全部で4基。PCI Express 5.0 x16スロットとほかのスロットが離れているので2枚の拡張カードを使いたい場合にも安心

　バックパネルのUSBは、USB 10Gbps(Type-C)×1ポート、USB 10Gbps×1ポート、USB 5Gbps×4ポート、USB 2.0×4ポート。内蔵GPU用の映像出力としてHDMIを搭載している。また、PCケースのUSBポート用として、USB 10Gbps Type-Cが1ポート分、USB 5Gbpsが4ポート分、USB 2.0が4ポート分のUSBピンヘッダーを用意している。

　バックパネルのUSBポートのうち、黄色い端子のUSB 5Gbpsポート2基は、ASRock独自の「ライトニングゲーミングポート」に対応。この2つのポートは、それぞれ独立したUSBコントローラーに接続されており、たとえば、ゲーミングマウスとゲーミングキーボードをこのポートに接続した場合、両デバイスのデータ通信はそれぞれ独立した経路でPCとやり取りされる。そのため、特にポーリングレート8,000MHzなどの超高精度＆超高速なゲーミングマウス(=その分データ通信量も多くなる)の性能が、ほかのデバイスの通信に巻き込まれて“渋滞する”ことを防ぐことができる、というメリットがある。

　ライトニングゲーミングポートはこれまで、上位の製品に搭載される例が多かったが、手ごろな値段ではあるが“ゲーミング”を強く意識した本機にも搭載されてきている。対戦型のFPS/TPSをガッツリ楽しみたいユーザーには朗報だ。

• バックパネルはカバー一体型だ

　このほか、ネットワーク機能として、Realtek RTL8125BGによる2.5Gbpsの有線LANと、前述したWi-Fi 7とBluetooth 5.4をサポートする無線LANを備える。

• 無線LANアンテナは回し込んで固定するスタンダードなタイプ
• USB 5GbpsのUSBピンヘッダーは縦型と横型の2種類があり、PCケースの構造に合わせて取り付ける箇所を選べるのがうれしい

　色統一のこだわりはUEFIの画面にも及んでおり、B850 Challenger WiFiはブラックを基調に、B850 Challenger WiFi Whiteはホワイトを基調としている。Ryzen 7 9700XとRyzen 5 9600XのTDPを65Wから105Wまで引き上げる「TDP to 105W」もサポート。ドライバ類を自動的にインストールできる「Auto Driver Installer」も備えており、標準で有効化されている。

• UEFIメニューのトップ画面。標準ではAdvanced Modeになっている。これはB850 Challenger WiFi Whiteのものだ

• Easy Modeに切り換えた場合の画面。CPU温度やファンの回転数も確認できる

■ ツボを押さえたスペックや機能選択で良コスパを実現

　電源回路のフェーズ数は最近のマザーボードとしては控えめ、組み立てをラクにするギミックの採用はM.2スロットまでにとどめ価格を抑えているところもあるが、電源回路とM.2スロットにはいずれも大型ヒートシンクを搭載し、8層基板を採用するなど、信頼性や安定性を高めるツボはしっかりと押さえている。さらに、2.5Gbpsの有線LANやWi-Fi 7に対応するなどネットワーク機能も充実しており、コストパフォーマンスは良好だ。カラーリングへのこだわりも徹底しており、見た目にこだわりたい人からコスパ最重視の玄人まで、幅広いユーザーにオススメしやすい1枚という仕上がりだ。