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時短テクで差がつく、Excel初心者が覚えるべき操作
2025年4月17日 08:40
新社会人が最初に扱うソフトとして、「Excel」は必ずと言っていいほど登場します。請求書や進捗表、売上管理など、あらゆる業務に欠かせない存在です。とはいえ、Excelは機能が多岐にわたる分、目的に応じた適切な使い方を知らなければ、作業に余計な時間がかかってしまうこともあります。
新年度は、新社会人にとっても、すでに働いている人にとっても、スキルの見直しや学び直しに最適なタイミングです。この記事では、そんな今こそ知っておきたい、Excel作業の効率をグッと高める実践的なヒントを紹介します。
あなたのExcelの使い方、実は損しているかも?
もし、次のような集計表から「合計値が大きい上位3つのデータを調べて欲しい」と言われたら、Excelのどの機能を使って調べますか?
Excelで上位のデータを調べる場合、「データを並べ替える」「関数を使って上位の値を求めて調べる」など、いくつかの方法があります。データの並べ替えは操作が簡単で効率のよい方法ですが、この集計表にはセル結合が含まれています。そのため、セル結合があると、並べ替えの際にエラーが出て実行できないことがあります。
このような時には、関数を使って調べる方法が便利です。たとえば LARGE関数 を使うと、指定した範囲内の「上位の値」を簡単に取得できます。LARGE関数は「=LARGE(範囲, 順位)」の形式で使用し、指定した順位に相当する大きな値を返す関数です。たとえば、1位の値を求めるときは「=LARGE(F3:F9,1)」のように入力します。LARGE関数を理解していないと、順位を手作業で調べるのに時間がかかったり、数式を入力する際にミスが生じたりする可能性があります。そのため、関数の仕組みをあらかじめ知っておくことが、作業の効率化につながります。
単に上位のデータを確認するだけならば、「条件付き書式」が便利です。セル範囲を選択したあと、[条件付き書式]の[上位/下位ルール]から[上位10項目]を選択し、「3」を入力します。該当するデータのセルに色が付き、一瞬で調べることができます。
集計表から上位のデータを調べる方法を確認してきましたが、条件付き書式を使うと非常に迅速に調べられましたね。
このように目的に適した機能を選んで、作業効率をアップするには、実用的な機能を幅広く習得しておくことが大切です。そのためには、参考書などを活用して、体系的に学習する方法が有効です。基礎から段階的に学んでいくことで、主要な機能をバランスよく、整理して理解することができます。
また、作業効率のアップを図るとき、何となく得た知識だけの自己流の操作では、どうしても限界が出てきます。いつも決まった機能ばかりを使いがちで、重要な機能を知らずに過ごしている場合もあります。体系的に新しい機能を学ぶことで、使える機能が増え、作業をさらに効率的に進められるようになります。ぜひ、取り組んでみてください!
意外と知らない?数値の表示形式で差がつくポイント
「通貨」や「数値」などの表示形式は、Excelでデータを扱う際によく使われる機能です。しかし、これらの設定が不適切なままになっていると、金額の桁数がそろわずに一覧性が悪くなったり、小数点の位置がずれて見づらくなったりと、見た目のトラブルが生じる可能性があります。また、見た目が整っていないことで、データの信頼性が損なわれてしまうケースもあります。
こうしたトラブルを防ぐためにも、表示形式の基本的な使い方を知っておくことが大切です。今回は、よく使う「通貨」「数値」の表示形式について、注意点や便利なポイントをわかりやすくご紹介します。
桁区切りスタイル]ボタンと[通貨]ボタンの関係
セルに入力している数値を見やすくするとき、[ホーム]タブの[桁区切りスタイル]ボタンや[通貨]ボタンを使います。日常でよく使っている、馴染みのあるボタンだと思います。この2つのボタンは、「¥」を付けるかどうかで使い分けますが、どちらを使用しても「通貨」の表示形式が設定されます。ボタンによって、異なる表示形式が設定されるわけではありません。
「¥」を付けるか付けないかを切り替える操作は、[セルの書式設定]を使って行なうこともできます。細かな調整が必要な場合は、こちらを利用すると便利です。
なお、[桁区切りスタイル]ボタンを使った場合は「¥」が表示されませんが、適用されるのは「通貨」形式です。そのため、見た目が似ている「数値」の表示形式とは別物である点に注意が必要です。表示形式を正しく理解し、適切に使い分けることで、データの視認性や信頼性を高めることができます。このあとに説明する「数値」の表示形式と混同しないように気をつけましょう。
表示形式が原因?数値の位置がズレて揃わない
まず、下の集計表をご覧ください。「事務用品」と「OA用品」の数値を見比べると、セル内で数値の位置がずれており、そろっていません。このように数値がそろっていないと、確認しづらくなるだけでなく、表全体の見た目も悪くなってしまいます。
実は、「事務用品」と「OA用品」では、それぞれ異なる表示形式が使われています。「事務用品」は「通貨」、「OA用品」は「数値」の表示形式です。これが、数値の位置が揃わない原因となっています。「事務用品」と「OA用品」の表示形式を同じにすれば、ズレを解消して数値の位置を揃えられます。
なお、「数値」の表示形式は、サイズや重量、距離などの数値データを扱う際によく使われます。この形式では、自動的に数値の右側に半角スペースが挿入され、桁区切り「,(カンマ)」も簡単に設定できます。見た目を整えるだけでなく、データの種類に応じた使い分けを意識することが、正確で見やすい表作成につながります。
「数値」の表示形式を設定した際、半角スペースが挿入されますが、不要なときは手動で削除できます。「数値」の表示形式を設定したセルを選択し、[セルの書式設定]ダイアログボックスの[表示形式]タブで[ユーザー定義]を選択します。数値の右に半角スペースを指定しているアンダーバー「_」があるので、これを削除します。
「通貨」と「数値」の表示形式は似ているため、混同しやすく、トラブルが生じやすいです。基本を押さえることでトラブルを防止し、作業の効率アップを図りましょう。
覚えておきたい!データ入力で役立つ時短テクニック
Excelには、計算や集計だけでなく、データ入力を効率化するための便利な機能も数多く備わっています。日々の業務で繰り返し行なう作業こそ、ちょっとした工夫で大きな時短につながります。こうした入力作業の負担を軽減し、作業スピードをアップさせるためのテクニックを知っておくと、日常業務がよりスムーズに進められます。
複数のセルに同じ値を入力できるCtrl+Enterキー
Excelでは、同じデータを何度も繰り返して入力する場面がよくあります。たとえば、作業進捗表に「確認済み」を入力するときや、担当表で同じ名前を繰り返し入力するときです。何度も同じデータを入力するのは、ちょっと面倒な作業ですよね。こんなときは、Ctrl+Enterキーを使用すると効率よくデータを入力できて便利です。
まず、データを入力したい複数のセルをすべて選択します。
あとはデータを入力し、入力を確定する際に、Ctrl+Enterキーを押すと、選択しているセルに一気にデータが入力されます。
このように、1つ1つデータを入力する場合と比べて、作業時間を大幅に短縮できます!
ユーザー設定リストに独自のデータを登録しよう
オートフィル機能を使うと、「月、火、水・・・」や「1月、2月、3月・・・」などのデータをドラッグ操作で入力できます。これらは、「ユーザー設定リスト」に登録されているデータです。ユーザー設定リストには独自のデータを登録できるので、部署名や店舗など、頻繁に入力するデータを登録しておくと便利です。
入力規則を使って半角/全角の切り替えを自動化する
たとえば、商品表にデータを入力するとき、商品名を入力するときは[全角]、単価や在庫数を入力するときは[半角]のように、入力モードを切り替えるのは面倒です。入力規則機能を使うと、セルにカーソルが移動したとき、自動的に[全角]や[半角]の入力モードに切り替わるようにできます。
半角/全角を切り替えたいセルを選択し、[データの入力規則]ダイアログボックスの、[日本語入力]タブを表示します。たとえば、半角に切り替えるときは、[半角英数字]を設定します。
数値の表示形式やデータ入力を中心に、Excelを使った日常の作業に役立つヒントをご紹介しました。すぐに取り入れられる実用的なテクニックばかりです。Excelをもっと便利に使いこなし、作業効率アップを図るのに役立ててください!