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機能・デザインにこだわったシャープペン 三菱鉛筆・ぺんてる・パイロット
2026年3月18日 08:40
シャープペンシルは機能もデザインも進化していて、大人でも使いやすいモデルが各メーカーから発売されています。大人になってシャープペンシルを使うことが少なくなったという人も、ここでシャープペンシルの最新トレンドを知って、気になったものをチェックしてみてはいかがでしょうか。今回は、シャープペンのラインナップも豊富な渋谷ロフトで、ロフト 商品本部 文具雑貨領域部 バイヤーの土谷貴史さんに、最近のシャープペン事情や大人にもおすすめのモデルを聞いてきました。
「ここ数年は、製図用シャープペンをベースにしたデザインのものがよく売れています。製図用はペン先端のガイドパイプが長く、手のジャマにならないようにクリップが短いのが一般的で、どのメーカーもそこに寄せて企画・開発している傾向にあります。色は黒が主流でカッコいいものが多いので、ビジネスシーンでも使いやすいと思います」
最近は筆記具にこだわる中高生も増えていて、「お年玉をもらった年始には高価格帯のシャーペンを買いに来られる方がとても多いです」と土谷さん。入学・進級シーズンなどにお祝いとして贈っても喜んでもらえそうです。
自動で芯が繰り出したり、尖ったり 機能性重視の2モデル
最初に紹介してくれたのは、芯が折れずにずっと書き続けられる、ぺんてるの「オレンズネロ」。ぺんてるが半世紀にわたって追求してきた「細く、強く、使いやすいシャープペン」を実現させたこだわりの1本です。
「芯が折れないシャーペン『オレンズ』が2014年に発売され、それに自動芯出し機構を搭載してよりメカっぽく仕上げたのが2017年に発売された『オレンズネロ』になります。自動芯出し機構は、ペン先が紙面から離れるたびに自動で芯が出てくるシステムで、最初のワンノックさえしてしまえば残り芯が短くなるまで書き続けることができます。この機構はぺんてるが先駆けて開発しましたが、熟練の技を持つ職人が手作業で組み上げてつくっているので大量生産が難しい。そのため発売から10年ほど経った今でも品薄になることがある人気モデルです」
ボディは削り出した金属部品のような印象。バランスのよい低重心で、グリップした時の満足感と書きやすさを体感できます。
続いては、三菱鉛筆の「クルトガWOOD」が登場。クルトガの「芯が回ってトガりつづける」という特徴はそのままに、ペン先の動きを最小限に抑えたクルトガエンジン、筆記時の衝撃を和らげる樹脂製パーツを搭載し、より書き味を安定させた、木製グリップのモデルです。
「木目にこだわった木製グリップとブラスト処理を施したアルミ製後軸を組み合わせることで、異素材が調和した上質さと天然木ならではの温もりを感じられる1本です。芯が常に尖り続けるので、軸を回してとがっているところに調整する必要がなく、書くことに集中できます。カラーは定番の黒ではなく、フォレストグリーンとスチールグレーの2色展開で、黒以外が欲しい、軸色で個性を出したい、という方にもおすすめです」
グリップには黒褐色で木目が美しいマメ科の広葉樹、ウェンジュを採用。先端に向かって少しずつ太くなっているので握りやすく、滑りにくくなっています。
世代を問わず愛されてきたロングセラーモデル
同じく木を取り入れたシャープペンで、触感や使い心地にこだわってつくられているのがパイロットの「S20」です。削り出しの含浸カバ材を使用していて、使い込むほど味わいが増し、手になじみます。
「昔からある商品ですが、ここ10年ほどのシャープペンブームで今も爆発的に売れています。クリップが短くガイドパイプが長い製図用をモチーフにしたモデルですが、この木軸のボディをつくる職人さんは日本国内にあまりいないのが現状です。軸の中を薄く削ってシャーペン本体を入れなければならないため加工が難しく、こちらもなかなか供給が安定しにくい商品です。個人的には、80~90年代っぽいデザインも好印象。トレンドのシュッとしたデザインではなく、手へのなじみを重視したフォルムになっています」
「ロングセラーモデルでいえば1971年に発売された、ぺんてるの『万年CIL ケリー』もおすすめです。ご覧の通り万年筆のようなデザインで、ロフトでは定番商品として売れ続けています。他のラインナップと比べると異色なデザインですが、エレガントで高級感があり、キャップ付きなので持ち運ぶ時も安心。しかもキャップを後軸にはめると自動的にノックボタンが突出するので、キャップの上からノックが可能。細部までつくり込まれた精緻な機構も魅力です」
こだわりが詰まった黒ボディのスタイリッシュモデル
2006年に創業したステーショナリー雑貨ブランド、ラコニック。今話題の「ソリッドライト」は大人をターゲットにつくられた、こだわりのモデルです。
「モノの良さを引き出すためにいろいろなものを削ぎ落として完成させたため、デザインは極めてシンプルです。特徴はクリップがついていないこと。クリップがないと置いた時に転がってしまうので、転がり防止のために設計された六角リングを備えるなど、シンプルながらも機能性を追求しています。質実剛健なイメージの黒のマット調に仕上げられていて、タイポグラフィーにもこだわりが。25年に発売された商品で、『2025年度グッドデザイン賞』のほか、『文房具屋さん大賞2026』では大賞を受賞した逸品です」
特徴的なデザインや機能により、ペンをそっと置く意識が自然と生まれ、美しい所作へと繋げる、というメーカーの思いにも独自性を感じます。
続いては、25年にデビューしたばかりのブランド、カーユプラスの「エイムビジョンプロ」が登場。剛性を高めた真鍮削り出しのシャープペンで、書くときのブレを極限まで抑え、書き味の安定性を追求しています。
「このブランドはユーザーのニーズをとても理解していると感じます。例えば、入っている芯の濃さを表示できる回転ダイヤルがついていて、回すとカチカチと心地いい音がする。さらに凹凸の模様を刻んだローレット加工と特別なパターンのラバークリップを採用していて、握りやすさと安定感を両立。繊細な設計で、長時間の使用でも疲れを軽減できます」
質実剛健なイメージのドイツメーカー「ステッドラー」と「カヴェコ」に注目
ここからは海外メーカーの商品をご紹介。1835年に創業したドイツの筆記具・製図用品メーカーのステッドラーは、製図用人気も相まって注目が集まっています。
「ステッドラーからは2本ピックアップしました。まずは、ステッドラーのアイデンティティである鉛筆の六角形を金型でつくり、シャープペンにした『ヘキサゴナルシャープ』。黒色のマット塗装が受けて一躍人気商品に。より持ちやすく、より書きやすく、より快適で美しい1本を目指して設計されています」
「もう1本の『オールブラックシャープペンシル』はステッドラーの日本法人が商品企画をしてつくったもの。元々はシルバーだった躯体を流行のブラックにアレンジし、パーツ類やロゴまですべてをブラックで統一した商品になります。長く製図用品を扱ってきたドイツメーカーということで、ブランドへの信頼も厚く、幅広く支持されています」
同じくドイツメーカーのカヴェコは、ミュンヘン・オリンピックの公式ペンに認定された実績を持つ筆記具ブランド。「スペシャルペンシル」は1930年代の事務用ペンシルをイメージしたデザインで、アルミ素材の八角形軸が特徴です。
「ドイツ製の筆記具は質実剛健なイメージがありますが、カヴェコの商品はちょっとひねったデザインが特徴です。流行の製図ペンではなく少し太めでクラシカルなデザインなので、他のメーカーと差別化できるのもポイント。また、元々は万年筆のメーカーだけあってアルミケースに入っているのもユニークです。汎用の箱としてメーカーが使っているものですが、このケースもブランド感があると好評です」
機能やデザインなど、メーカーそれぞれにこだわりが詰まった商品が揃いましたが、気になるものはありましたか。まずは気に入ったものを1本持って、ビジネスやプライベートで使ってみてはいかがでしょう。便利に使えて、出番が多いかもしれませんよ。
記事内の価格はすべて取材時点(2月26日)の渋谷ロフト販売価格です。






















