いつモノコト

家庭用最強? 電動コーヒーミル「みるっこ」がやってきた

フジローヤル「R-220 みるっこ」

コーヒー豆を挽く電動コーヒーミルを日常的に使っているのですが、先日ついに使っている製品が寿命を迎え、動かなくなりました。そこで新たに購入したのが、フジローヤルの「R-220 みるっこ」(グラインダー臼)です。Amazon.co.jpにて56,300円でした。

これまで使っていたのはカリタの「ナイスカットミル」で、2014年に購入したものでした。買ってしばらくの使用頻度は週に1〜2回でしたが、今の住居に移ってからの6年は毎日使っていました。故障の原因は、モーターのカーボンブラシの消耗という、製品寿命ともいえる症状でした。12年も使ったわけですし、これを機にアップグレードも図ろうと決意し、かつては予算的に諦めた“憧れの一品”を買うことにしました。

カリタ「ナイスカットミル」(左)と「みるっこ」(右)

その「みるっこ」はロングセラー製品で、私が電動コーヒーミル選びで悩んでいた2014年の時点ですでに、家庭用として買える電動コーヒーミルでは最上位のアイテムという扱いでした。ただ、昔と同じままで売られているわけではなく、挽臼の素材が2016年ごろにリニューアルされるなど、アップデートも加えられています。

みるっこは、取扱説明書に「営業用としてはもちろんのこと、一般のご家庭でも簡単にお使い頂ける本格派のコーヒーミルとして開発されました」と書かれているように、業務用としても使えるスペックが特徴です。そもそもメーカーのフジローヤルは、業務用のコーヒーロースター・ミルを手掛けている老舗です。これまで使っていた製品が使用期間の長さや使用頻度で寿命を迎えたことを考えると、「業務用に使える」ことほど頼もしい仕様はありませんし、信頼性や耐久性は買い替えにあたって最も重視したポイントです。

みるっこを使って驚いたポイントはまず、モーターの音が静かということ。これまでは小型の掃除機のような「グワァアアア」という大きな音がして、これにコーヒー豆を挽く「ガリガリガリ」という粉砕音も加わっていたわけですが、みるっこのモーターは根本的に構造が異なるのか、「ブルウゥゥゥゥゥン」とまったく別種の音で、上等な工作機械でも駆動しているかのよう(?)です。粉砕音も以前より静かです。

次に驚いたのは、挽くスピード。これまで50gの豆を挽くのに30秒ぐらいかかっていましたが(中挽き)、みるっこはなんと8秒もかかりません(挽き目は初期設定の6)。一瞬で終わってしまう印象です。もっとも、最近の製品には、挽く際の摩擦熱による味の変質を防ぐためとして、あえてスピードを抑え気味にして挽くものもあるので、速度が遅いからといって劣っているとは限りません。みるっこの圧倒的な速度は、パワフルなモーターや業務用という素性からくるものではないかと思います。

挽いた粉の均一さは、すでにいろいろなところで紹介されている、みるっこの代表的な特徴ですが、これまでとは別格の仕上がりです。家庭用ではこれ以上望めないのでは? と思えます。実使用上では最も価値が高い、グレードアップを実感できる部分です。

挽き目調整ダイヤル
粒の均一さは別格の仕上がりです

挽臼の形状については、これまでのナイスカットミルが「カット刃」、みるっこは「グラインダー刃」という違いがあり、挽き目とは別に、抽出するコーヒーの味に直結する要素になっています。カット刃で挽いた粉はキリッとした味になるのに対し、グラインダー刃はまろやかになる傾向があります。みるっこは粒状性が均一になっていることで、挽き目の調整が味の変化にも表れやすいのではないかと思います。

ナイスカットミルのカット刃
みるっこの挽臼は、すり潰す方式のグラインダー刃

なお、みるっこのグラインダー刃(グラインダー臼)は、エスプレッソ用などの細かい挽き目には適しておらず、エスプレッソ向けとして別途「カット臼」を搭載したモデルが用意されています。型番では分けられていないようなので、もし購入するなら、どちらの挽臼を搭載しているかをちゃんと確認する必要があります。

サードパーティ製アイテムで微粉問題を解決

ある意味で一番驚いたのは、これは嬉しいポイントではなく課題ですが、微粉がかなり飛散することです。

電動コーヒーミルは多かれ少なかれ、静電気で微粉が舞い上がってしまいますが(最近は対策した製品も登場しています)、みるっこはその挽くスピードも影響しているのか、カップ型の粉受けを使ってしまうと、挽き終わり頃に微粉がブワっと盛大に舞い上がり、周囲に飛び散ってしまいます。

こうしたことを考慮してから、みるっこにはフタ付きの粉受け缶(樹脂製)が付属しますが、これで飛散を抑えられても、今度はフタの裏側などに帯電した微粉がびっしりと張り付き、ちょっと叩いたぐらいでは落ちてくれません(静電気の影響は季節や湿度にも大きく左右されます)。微粉の分離・排除を徹底すると、味のバランスが失われることが多いため、極端な分離は避けたいところ。

また、この純正の粉受け缶のサイズは大きめで、家庭の日常的な利用では小さなカップ型の粉受けを使いたくなります。

純正の粉受け缶(樹脂製)で微粉の飛散対策はできますが、静電気の影響は残ります。また、1回50g以下といった家庭用にはサイズが大きめです

みるっこはロングセラー製品で愛用している人も多いためか、微粉の飛散問題を解決するサードパーティ製アイテムが存在します。コーヒーサクラが開発・販売している「電動コーヒーミルみるっこ用パウダーコレクター」(2,200円)がそれで、今回はこれも買ってみました。

使い方は、みるっこの排出口にある磁石部分にパチンと取り付けるだけです。排出口を延長するノズルの形になり、純正の粉受け缶は使えなくなります。パウダーコレクターには帯電防止加工済の樹脂が使われており、排出される粉の静電気が減って、飛散が大幅に抑えられます。ゼロにはなりませんが、これまで使っていたナイスカットミルと同程度という印象です。ユーザーの自己責任で使うアイテムとはいえ、正直なところ、純正の粉受け缶を使わないなら必須アイテムだと思えました。

みるっこ用パウダーコレクター。帯電防止加工が施された樹脂製です
みるっこの排出口にある磁石部分にくっつけるだけです

それまで使っていた電動コーヒーミルの故障・寿命というきっかけでしたが、ついに家庭用最強と名高いコーヒーミルが我が家にやってきました。微粉の飛散がすごくて当初は焦りましたが、一応の解決ができました。挽くスピードもさることながら、均一な粒状性には目を見張るものがあります。挽き目を調整して好みに近づけていくのは、これからやっていこうと思います。

コーヒーメーカー、複数のハンドドリップ、サイフォンを使い分け、日常利用から特別な一杯まで、いろんな淹れ方を楽しみたい私のような人間には、単体の電動コーヒーミルは非常に役立ってくれます。

太田 亮三