いつモノコト

コーヒーメーカーを買ったらVisaデビットカードを作っていた話

三菱UFJ-VISAデビットカード。銀行に口座があれば簡単に作れて、店頭ではクレジットカードのように使えます。買い物をすると銀行口座からすぐに引き落とされます

在宅勤務のコーヒー事情を改善するものとして5月にコーヒーメーカーを買いました。それから文字通り毎日コーヒーメーカーを使ってコーヒーを淹れています。その結果新たに増えたのが、定期的にコーヒー豆を買うという習慣です。豆は1日1回、42gを使うので、よく売っている200gのパッケージの豆を5日程度で使い切ってしまいます。

定期的な買い物は地元でしたい派なので、コーヒー豆も歩いて買いに行ける範囲で探し、近所のスーパーで買えるキーコーヒーのコーヒー豆、無印良品のコーヒー豆、カルディのコーヒー豆を試して、最終的にカルディのオリジナルコーヒー豆を継続して買うことにしました。カルディの中でも最も安い「マイルドカルディ」(200g、496円)と、次に安い「スペシャルブレンド」(200g、507円)のどちらかで、気分で使い分けていく感じです。

カルディのオリジナルコーヒー豆、マイルドカルディ(左)とスペシャルブレンド(右)

月に数回、年間38,000円、できればスマホだけで

そうなると次に気になってくるのは、カルディでの支払い方法です。たまに買う程度なら気になりませんが、定期的に買うとなると話も違ってきます。豆を1日42g使うということは、30日で1,260g、365日だと15,330gも使うことになります。200gのパッケージだとひと月で6.3個、年間で76.65個を消費する計算になり、マイルドカルディの場合で年間約38,000円にもなります。

豆の鮮度を考えるとあまり大量の買い置きはしたくないので、月に何度か買いに行くことになりますし、カルディのコーヒー豆専用のポイントカードを積極的に使うとかの工夫もしたくなります。幸い、カルディは今春、コーヒー豆用のスタンプカードをバーコードを読み取るタイプのプラスチックカード+スマートフォンアプリというシステムに移行したので、スマートフォンがあればポイントカードは要らなくなりました。

最近は、スーパーやドラッグストア、ファストフードでの買い物など、歩いて行ける範囲の日常的な買い物はスマホ決済の「d払い」で済ませることがほとんどで、財布を家から持ち出すことがグッと減っています。カルディでの支払いも、できればスマホだけで済ませたいところ。ただ、最寄りのカルディは、テナントビルの都合もあってか決済方法があまり充実しておらず、「d払い」にも対応していません。何かよい方法がないかと思っていたのですが、レジのクレジットカードの決済端末をよく見ると、「Visaタッチ」のマークが付いていることに気が付きました。

筆者はAndroidスマートフォンを使っていますので、「Google Pay」アプリに、Visaタッチに対応するクレジットカードを登録すれば、スマートフォンでVisaタッチを使った支払いが可能になります(スマートフォンのNFCを使います)。しかし、手元にVisaタッチ対応のクレジットカードはなく、新しくクレジットカードを作るつもりもありません(むしろ減らしたいぐらいです)。そこで、改めてGoogle Payに登録できるカードを調べていると、Visaタッチに対応した「Visaデビットカード」も登録できる、ということが分かりました。

Visaデビットカードなら発行がラク

デビットカードは、サービスが開始された2000年頃に「J-Debit」を使っていた記憶があるのですが、イマイチ使いにくいなという印象が残っているのみで、ずっとサービスそのものから遠ざかっていました。しかし今回改めて調べてみて、2014年頃から開始されたらしいVisaデビットカードがいろいろと便利かつセーフティで良いのではないかと気付かされました。

Visa加盟店ならどこでもクレジットカードのように使えて、引き落としは銀行口座から即座に行われるというカードですから、銀行口座に入っている金額以上の買い物はできませんし、後になって請求額に焦るということもありません。実に分かりやすいです。

デビットカードは銀行口座と密接に連携する関係からか、銀行が発行するケースがほとんどで、筆者は三菱UFJ銀行を使っているので「三菱UFJ-VISAデビットカード」を作りました。すでに口座があるので申し込みは簡単で、クレジットカードのように与信の審査があるわけではなく、申し込んでから1週間もせずにカードが届きました。見た目はICチップ付きのクレジットカードと同じで、プラスチックカード単体でVisaタッチに対応しています。

Visaタッチの対応レジもけっこう増えている

これをGoogle Payに登録してスマートフォンのNFCをオンにすれば、スマートフォンでVisaタッチが使えることになり、カルディにて、スマートフォンだけで決済できるようになりました。スマートフォンを店頭の決済端末にかざした際の反応はすばやく、画面には決済が完了した旨がすぐに表示されます。最近のクレジットカードのように、利用後はすぐにメールも届きます。使い勝手はVisaのクレジットカードそのものです。

もちろんVisaタッチはカルディに限ったことではなく、例えばセブン-イレブンなどコンビニのレジもVisaタッチに対応していますし、調べるとけっこう対応している店があることが分かります。東京オリンピックの開催によるインバウンドの需要を見越して(無観客での開催が決定しましたが)、Visaが国内での普及に力を入れていたことも影響しているようです。

Google PayにVisaタッチ対応のVisaデビットカードを登録したところ(左)、店頭でタッチ決済が完了した際の画面(右)

使ってみたらいいとこ取りだったVisaデビット

Visaデビットカード自体も、クレジットカードのようにGoogle Payに登録できることで、例えば「Google Play」のスマホアプリやYouTubeなどデジタルコンテンツの決済に使えます。また、モバイルSuicaの電子マネーのチャージに使えば、後払いではなく、銀行口座のお金をすぐに使う形でSuicaにチャージできます。クレジットカードが使えるほかの買い物やネット通販も同様です。

クレジットカードの特徴でもある後払いを使いすぎて、もう何年も痛い目を見ている筆者としては、こうした支払いにまつわる問題や“漠然とした不安”を綺麗サッパリなくした「即時払い」のVisaデビットカードは、とても健全で健康的なカードに見えます。叶うならすべてこれに切り替えたいぐらいです。

コーヒー豆を定期的に買うカルディでVisaタッチが使えるみたい、ということを起点にして、VisaタッチはGoogle Payを介してスマートフォンでも使える→登録できるカードにVisaデビットカードがある→銀行口座があればすぐに発行できる、という流れで作ってみたVisaデビットカードですが、その健全性という意味において、想像以上にメリットを感じられました。スマホだけでタッチ決済ができるといった機能性はもちろん、いろいろな事情でクレジットカードを作るのが難しいという人にもおすすめできそうでし、分割や後払いはもうウンザリという私のようなダメな人間にもおすすめです。

太田 亮三