ミニレビュー
超細長い「ツイ廃」モニターの最適解は「AIコーディング」
2026年4月12日 10:00
数年前からディープなパソコンユーザーの間でちょっとした流行となっているのが、極端に細長い「バーモニター」と呼ばれる小型モニターです。
あまりにも細長いのでメインモニターとしては使いにくいのですが、特定用途のサブモニターとして考えると面白い存在。縦置きにするとSNSのタイムラインを表示するのにちょうどいい、といったことから、かつては「ツイ廃モニター」と呼ばれることもありました。
ただ、常にタイムラインを表示していたい! という人はおそらくそう多くはないでしょう。最初のうちは楽しく使っていたけれど、「本当に便利か」というと微妙で、結局持て余してしまう人もいそうです。
しかし、そんなみなさんに朗報です。ここへきてバーモニターの新たな使い道を発見しました。そう、最近流行のAIコーディングです!
AIコーディングはかつてないほど広い画面が必要になる
AIにプログラムを作ってもらうAIコーディング、あるいはバイブコーディングは、本格的に取り組み始めるとある悩みにぶつかります。それは、いくらモニター(の解像度)があっても足りないこと。なぜ足りなくなるかというと、同時に開いておきたいウィンドウが増えるからです。
そもそもプログラミングという作業自体、起動しておくべきアプリやウィンドウが多くなりがちです。開発環境(IDE)、テスト実行している開発中のプログラムの画面、デバッグ(動作検証)用ツール、情報収集用のWebブラウザー。チーム開発しているならチャットアプリも必要でしょう。
でもってAIコーディングになると、そこにAIツールやターミナル(コマンドプロンプト)のウィンドウが追加されます。つまり、これまでのプログラミングにはなかったコーディングのための指示出し用アプリが増える分、デスクトップスペースをさらに圧迫するのです。
なので、可能な限り高解像度のモニターが何台も欲しい。ただ、高解像度モニターは高額ですし、デスクが広くなければ置き場所に困ります。そこでおすすめなのが、デスク上のデッドスペースをうまく活かしつつ効果的に画面を拡張できる細長いバーモニター、というわけです。
実際のところバーモニターがどんな感じで使えるのか、参考までに筆者の活用方法をご紹介したいと思います。
専用ランチャーとウィジェットも使えるCorsair「XENEON EDGE」
まずはモニターの紹介から。筆者が購入したのは、ゲーミング系のPC周辺機器に強いメーカー、Corsairの「XENEON EDGE」という製品です。14.5型、2,560×720ドットの解像度で、アスペクト比32:9という細長具合。タッチ操作対応とはいえ実売価格は約43,000円で、これは数あるバーモニターのなかでも「高級」な部類に入ります。
なぜ高いのにXENEON EDGEを選んだかというと、同メーカーのElgatoというブランドで展開している多ボタンデバイス「Stream Deck」をソフトウェア化した「Virtual Stream Deck」を利用できるからです。
Virtual Stream Deckは、画面上にボタンウィジェットを配置して、それをクリック(タップ)することであらかじめ割り当てたアクションを実行できる、いわゆるランチャーです。よく使うアプリを登録して素早く起動できるだけでなく、複雑なキー操作を一発で実行したり、プラグイン機能で他のアプリを制御したり、といったことが可能です。
また、Corsair製品の設定・カスタマイズを行える「iCUE ソフトウェア」を使うことで、XENEON EDGEの画面にぴったり収まる各種ウィジェットを配置することもできます。時計や天気、カレンダー、写真や動画、パソコンの動作ステータス(CPU/GPUの負荷や温度、冷却ファンの回転数といったセンサー情報)など、いろいろな情報・コンテンツを映し出せます。
ハードウェア面では、横置きに対応するスタンドが付属します。本体の向きを変えるとそれに合わせて表示内容も自動で切り替わる仕組みで、背面には2つのねじ穴(50mmピッチ)を備えているので、これを使ってマイクアームなどに固定することもできます。
さらには本体をデスクトップパソコンのケース内にセットすることも可能。そのための内部接続用ケーブルも付属します。たとえばガラスパネルのケース(基本的にはCorsair製の対応ケース)と組み合わせ、XENEON EDGEを中に組み込めば、これまでにないリッチな装飾パソコンの完成です。
なので、XENEON EDGEのタッチディスプレイを活かしてVirtual Stream Deckを使い倒したい、独自のウィジェット機能で画面を彩りたい、パソコンケースと一体化したカスタマイズを楽しみたい、という人であれば値段なりの価値を感じられると思います。
反対にそういう付加価値が不要なら、XENEON EDGEを選ぶ理由はあまりない、とも言えます。バーモニターとして同等の機能・性能をもつ製品が2万円前後から見つかるので、細長画面を単純に増やしたい人にはそちらの方がいいかもしれません。
バーモニターをAIコーディングで使うと何がいいのか
と言いつつ、筆者もXENEON EDGEの独自機能をフルに活用しているわけではありません。あくまでも一番の目的はAIコーディングを楽にすることですから、それとは無関係な情報で画面全体を覆ってしまうウィジェット機能はどちらかというと不要です。
では、AIコーディングを楽にするバーモニターの使い方とは、たとえばどういうものでしょうか。最近人気のAIコーディングツール「Claude Code」を例に説明したいと思います。
本気でClaude CodeをAIコーディングに活用している人の多くは、おそらくターミナル(コマンドラインインターフェース)版を使っていることでしょう。ターミナル画面を複数同時に開けるツール上でClaude Codeを動かすと、各画面で異なる役割をもつAIエージェントに作業を割り当てて、並行処理できたりするのがおそらく人気の理由かと思います。
しかし、作業内容を大量にテキスト出力するターミナル画面を常に表示することになるため、かなりの「画面食い」です。ノートパソコンではそれこそClaude Codeだけでデスクトップが埋めつくされるのではないでしょうか。
常時表示させておくと他アプリの使い勝手が損なわれてしまう。かといって「表示させない」という選択肢もありません。完全に自律動作させるような使い方でない限り、ユーザー側にたびたび操作や判断が求められるからです。でも、こういうときにバーモニターが役に立ちます。
ターミナルをXENEON EDGEに移動するだけでもメインモニターに余裕が生まれますし、横方向に画面分割したときには細長い画面に驚くほど収まりがいい。各AIエージェントの動作をつぶさにチェックでき、より的確に、素早く指示を送れるでしょう。
画面の左右端に少しスペースを残しておけるなら、そこにVirtual Stream Deckのボタンを配置するのもアリです。開発に必要なツールも、テストサーバーも、指先1つで起動。もちろんClaude Code自体の立ち上げも可能です。
開発においては、前提条件を整えるのに、事前に長いコマンドやスクリプトを実行する必要があったりするのも面倒だったりします。それらをワンタッチでこなせてしまう楽ちんさを味わえるのは、タッチ対応でVirtual Stream Deckが使えるXENEON EDGEならではと言えるのではないでしょうか。
タッチ対応バーモニターは手の届きやすい場所に
ちなみに、筆者の場合はClaude Codeを使い始めて間もなく、直接ターミナルを扱うのが面倒に感じたこともあり、それを外部から制御できるアプリを(AIコーディングで)作りました。ターミナルだとプロンプトを日本語で長文入力するときに不都合が生じやすいため、それを解決する目的もあります。
もちろんこの自作アプリもバーモニターに最適化。大半の指示はボタンのクリックやタップ操作だけでClaude Codeに送れるようにしています。このアプリがあればターミナルウィンドウは小さく表示したり、最小化したりしていても問題ないので、画面の占有量が増えることもありません。自分の使い方や環境に適したツールをすぐに作れるのも、AIコーディングのいいところです。
なお、バーモニターの置き場所は好みにもよりますが、デッドスペースを有効活用するという意味では、空いていることの多いメインモニター下に横置きするのが良さそうです。タッチ操作の指が届きやすく、視認性も高まります。AIコーディングを楽しく、もっと快適にしていきたいなら、バーモニターの導入をぜひ検討してみてください。
























