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業務の自律実行に向かう「Microsoft 365 Copilot」 CoworkとScoutを紹介
2026年7月28日 08:00
日本マイクロソフトは27日、AI機能「Microsoft 365 Copilot」の最新動向に関する報道関係者向け説明会を実施した。複数アプリを横断して業務を自律的に実行する「Copilot Cowork」や、バックグラウンドで常時稼働する「Microsoft Scout」を紹介し、従業員自身が業務を自動化できる環境について説明した。
同社によると、日本のAI利用率は世界平均の3倍を超えるペースで伸びているという。背景には、AIモデルの日本語能力の向上や、AIを業務に組み込むためのエコシステムの成長がある。AIの活用もチャットボットへ質問する段階から、人の指示に沿って業務を自律的に実行するAIエージェントの段階へ移行しつつあるとする。
AIエージェントは今後さらに普及するとみられており、2028年までに13億のAIエージェントが展開されるとの予測もある。こうした変化について同社は、AI活用の課題は「ツールがあるかどうか」ではなく、「組織がAIを活かせる設計になっているか」になりつつあると説明する。
AIエージェントを実務で機能させるには、モデルの性能だけでなく、組織文化やマネージャーの支援も重要になるという。その基盤として説明されたのが、AIにビジネスの文脈を理解させるためのインテリジェンスレイヤー「Microsoft IQ」だ。
同レイヤーは、仕事の進め方を理解する「Work IQ」、データを扱う「Fabric IQ」、AIアプリやエージェント開発を支える「Foundry IQ」、Web上の情報を活用する「Web IQ」で構成される。
同社は、Microsoft IQをCopilotの各機能に組み込むことで、AIエージェントが単に質問に答えるだけでなく、ユーザーの業務文脈を踏まえてタスクの実行まで担えるようにする。その思想を具体化する機能が、Copilot CoworkとMicrosoft Scoutである。
Copilot Coworkは、AIがユーザーの指示をもとにタスクを分解し、複数のアプリをまたいで作業を実行する自律型のサービス。Anthropicの「Claude Cowork」を基盤としており、6月に一般提供を開始した。
会議日程の調整と並行してWordやPowerPointのドラフトを作成したり、作業中に追加されたメール作成の依頼に対応したりできる。クラウド上で動作するため、PCの電源が切れていてもタスクを継続できる点も特徴とする。
また、「スキル」機能により、出力形式や表現をユーザーの好みに合わせて調整できる。説明会では、まとめ記事を作成する例を紹介。資料収集、方針整理、記事構成、リスク一覧の作成といった一連の流れをまとめて処理できることを紹介した。ユーザーが普段行なっている仕事の流れをフローとして組み込み、手動では時間のかかる作業をまとめて実行できる点を強みとする。
Microsoft Scoutは、ユーザーの仕事のプロセスを理解し、バックグラウンドで常時稼働するAIエージェント。Microsoft 365アプリ全体に統合されるもので、「OpenClaw」を基盤とし、現時点ではプレビュー版としてFrontierプログラムで提供されている。
Copilotに組み込まれる「Autopilot」カテゴリーの第1弾で、単発のタスク処理にとどまらず、日々の仕事を常時管理・調整し、最新情報の監視や通知までを自律的に行なえる。
説明会では、経費精算やイベント登録作業の例として、ScoutがWebブラウザを立ち上げ、画面上の情報を読み取りながら必要な入力や登録を進めるデモが紹介された。
Microsoft 365 Copilotは、Copilot Chat、Copilot Cowork、Microsoft Scoutの3つのAI機能を中心に構成されており、用途に応じて使い分ける形になる。対話型のCopilot Chatは、アイデアの壁打ちや、会議・メール・ファイルの内容をもとにした情報整理、文書の作成・編集、調査・分析などに適している。
Copilot Coworkは、1つの指示から複数の成果物を作成したり、複数のアプリやタスクを組み合わせて業務を任せたりする用途に向く。Microsoft Scoutは、ブラウザ操作の代行や最新情報の常時監視および通知など、日々の仕事を継続的に管理・調整し、必要な情報を把握できるよう支援する。
国内企業に広がるMicrosoft 365 Copilot
Microsoft 365 Copilotの国内企業の事例としては、りそなグループとINPEXの取り組みを紹介。りそなグループでは、業務部門の担当者が「Copilot Studio」を使ってAIエージェントを開発している。融資、住宅ローン、企業年金、iDeCoの4領域で照会業務をエージェントが代行し、担当者が付加価値の高い業務に集中できる環境づくりを進めている。
INPEXでは、Microsoft 365 CopilotをAI活用基盤として全社に導入し、社員自らがCopilot StudioやCopilot Agentを使って業務支援AIエージェントを構築している。社内で開発されたAIエージェントは1,000を超え、情報収集や調査などの繰り返し業務で活用することで、年間20億円以上の効果を見込むという。
日本マイクロソフトも、自社の業務プロセスにAIエージェントを組み込む取り組みを進めている。同社内で開催した「Copilotエージェントコンテスト」では、社内の技術問い合わせ対応用に開発されたAIエージェントが登場し、問い合わせ対応件数を半年で12分の1に削減している。
また、サポート窓口業務を数十の工程に分解し、AIが効果的に使える工程を3つの独立したエージェントで自動化する仕組みも考案された。実際の顧客環境に展開した際には、問い合わせ対応費用を半年で約1億円削減したという。
同社は、Copilot CoworkやMicrosoft ScoutのようなAIが自律的に業務を進める機能が登場していても、AIはあくまでユーザーを主軸とし、その仕事を支援する副操縦士(Copilot)であるという基本姿勢を変えていない。「地球上のすべての個人とすべての組織が、より多くのことを達成できるようにする」というミッションのもと、今後もAI活用の推進に取り組む。
















