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電気代は上げない OpenAIの巨大AI拠点「Stargate」と地域共存戦略
2026年1月21日 18:03
OpenAIは、Stargateプロジェクトを補完する「Stargate Community」の取り組みについて、その状況を発表した。Stargateは、米国政府が国家戦略として後押ししている、OpenAIを主体とする民間主導の巨大AIインフラプロジェクト。Microsoft、Oracle、SoftBankなども参加を表明している。
「Stargate Community」は、大規模AIデータセンター施設群「Stargate Campus」の推進を速やかに行なうため、地域住民とのコミュニケーションを進めることで、地域の理解を広めることを軸とした取り組み。
Stargateで設置されるデータセンターや電力関連設備などの施設群は、地域の電力を奪い、環境を破壊するなどのマイナス面の印象が強く、計画の中止を求める声が出てくることも考えられる。「Stargate Community」は、こうした事態を未然に防ぐことを目的とする。
Stargateプロジェクトは2025年に発表され、2029年までに米国のAIインフラを10GWに拡張することを目標としていた。しかし、1年が経過した現在は、計画容量が既に目標の半分を大きく超えているという。
テキサス州のアビリーンにある最初の拠点では、既に最先端のAIシステムのトレーニングを開始しており、一部のAIサービス基盤の提供を開始。テキサス州、ニューメキシコ州、ウィスコンシン州、ミシガン州の各地でさらなるStargate拠点が開発されている。
各地での拠点建設に向けOpenAIは、地域社会と協力し、Stargate Campusが地域社会の発展に貢献。"良き隣人"であることを実証できるよう運営していく方針を示している。
地域の電気代は上げない
Stargate Communityのプランでは、Stargateに関わるエネルギー費用を全て自前で負担することを掲げる。これによって、Stargateの施設によって地域の電力料金が上昇することはないとしている。
具体的には、専用の電力・蓄電設備や新たな発電・送電設備など全てを自前で全額負担。必要に応じて送電・発電インフラの強化費用も負担し、地元の電力会社やグリッド運営者と協力して計画的に実装していく。
取り組みは地域の事情に合わせて調整を行なう。例えばウィスコンシン州では、OracleやVantageと協力して太陽光発電やバッテリー蓄電設備を整備。地域の一般顧客の電力価格に影響を与えないよう設計されている。
ミシガン州では、DTE Energyと連携し、既存の電力設備にバッテリー蓄電を追加。プロジェクトが地域の電力グリッド改善や固定コスト分担にも寄与する設計とした。
テキサス州ミラム郡では、SB Energyと提携し、新しい発電設備と蓄電設備の建設とその資金提供を進めている。
地域環境への配慮も行なう。可能な限り水資源を抑えた冷却システムを採用し、地域の水資源と生態系に配慮。AI CampusにおけるAIトレーニング用途では、従来のデータセンターと比較して水使用量を大幅に削減する革新的な冷却水システムを採用している。たとえば、テキサス州アビリーンの拠点で使用される年間水量は、アビリーンが1日に使用する半分の量に収まっているという。
また、地域の人材育成の基盤として、OpenAIアカデミーを設立。地域の雇用と人材育成に投資する。アカデミーは各拠点毎に調整され、地元の雇用主や地域で進化するAI経済と連携した、質の高い雇用を実現する資格や道筋を提供する。今年の春に、テキサス州アビリーンにおいて初のOpenAIアカデミーが開設される。労働組合などとも連携し、大型AIインフラの構築・運用に必要とされる人材育成も支援していく。

