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ソフトバンク、法人向けAI基盤「AGENTIC STAR」 AIが業務を自律実行
2025年12月11日 13:12
ソフトバンクは、法人向けAIエージェントプラットフォーム「AGENTIC STAR(エージェンティック・スター)」を提供開始した。業務ゴールを理解し、担当者と連携しながらタスクを自律的に進めるAIエージェントをSaaSとして提供し、その構築や運用も可能にする。
AGENTIC STARでは、部門や既存システムを横断するAIエージェントを統合的に管理でき、戦略立案や資料作成といった業務の時間を削減することで、人とAIが協調して成果を生み出す新たな業務スタイルの実現を支援する。
プラットフォーム上には、Web検索、文書作成、表計算、プレゼン資料作成、画像・動画処理、アプリ開発などに対応した80種類以上のツールが用意。AIエージェントが用途に応じて自律的に使い分けることで、1つのプラットフォームから多様な成果物を生成できるとしている。
セキュリティ面では、チャット単位ごとに独立した仮想環境上でAIエージェントを動作させる設計を採用し、ほかのシステムやデータへの不要な影響や、本来権限のないシステム・外部サービスへのアクセスを防ぐ。
また、多層防御や監視・制御により企業利用を前提とした安全な運用を可能にし、管理者はアクセス権限の設定やログ管理を通じて統制を行なえる。
このほか、過去のやりとりや社内資料を企業ごとの長期記憶として安全に蓄積し、AIエージェントが参照できる仕組みも搭載。使えば使うほど部門や担当者の傾向を踏まえた提案やアクションが行なえるようになり、日々の業務から生まれるノウハウの整理・共有を通じて、継続的な業務改善と社内知見の蓄積に役立てるとしている。
同プラットフォームは、AIが既存システムと安全に連携するための公開仕様であるMCP(Model Context Protocol)にも対応し、社内システムや複数エージェントとの連携を容易にすることで、業務プロセスの自動化・高度化と競争力強化を狙う。
提供形態は、ブラウザーやCLI(コマンドライン)から利用できる「SaaSモデル」のほか、社内インフラ上に構築する「カスタマイズモデル」、既存業務システムとAPIやMCPで連携する「外部接続モデル」、クラウド上で実行環境やSDKを提供する「開発基盤提供モデル」の4モデルを展開。外部接続モデルと開発基盤提供モデルは、2026年3月の提供開始を予定している。
報道関係者向け説明会では、AGENTIC STARの価格について非公開としつつも、競合製品と比べて「かなり低価格で提供できるよう準備している」と説明。事業目標としては、関連ビジネスも含めて30年に売上規模500億円程度を目標に展開していく方針を示した。
なお、ソフトバンクは、11月にOpenAIとの合弁会社「SB OAI Japan」を設立しており、法人向けAIソリューション「クリスタル・インテリジェンス」を26年に日本国内で独占展開する計画も進めている。
同ソリューションとAGENTIC STARは、同社のマルチAI戦略のもとで連携の可能性を探りつつも、母体の異なるサービスとして展開していくという。







