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Visa、企業からのステーブルコイン国際送金を試験

Visaは、米国の企業やプラットフォーマーが、クリエイターなど受取人のステーブルコインウォレットに直接送金できる、Visa Directの新たな試験プログラムを発表した。

グローバル市場の資金移動ネットワークであるVisa Directに“ステーブルコイン送金”が試験導入される。企業は法定通貨で送金を行ない、クリエイターや従業員といった受取人は、資金をUSDCなどの米ドル連動型のステーブルコインで受け取れるようになる。カードや銀行口座は不要で、ほぼ一瞬で国をまたいだクロスボーダー送金が可能になり、国際送金のスピードやアクセスが大きく向上する。

また、ステーブルコインが国際間のボーダーレス通貨として機能することで、通貨の変動が高い市場や、銀行インフラが限られた市場でも安心して利用できる環境が整うとする。各取引はブロックチェーンに永久に記録され、監査やコンプライアンス対応、受取確認が可能。受取人はKYC(本人確認)とAML(マネーロンダリング対策)要件を満たした、互換性のあるステーブルコインウォレットを保有する人が対象となる。

Visaの最新の調査によれば、デジタルコンテンツのクリエイターが電子決済を好む最大の理由は「資金により速やかにアクセスできること」という。また回答者の57%は、対価に電子決済を選択する主な理由に「即時アクセス」を挙げている。

今後、一部のパートナーによる試験導入を経て、2026年後半にはユーザーの需要拡大や規制の枠組みに応じて、より広く展開していく計画。