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DNP、ICカードのリサイクルに成功 クレカ廃棄軽減へ
2025年11月11日 18:18
大日本印刷(DNP)は、金属を含むICカードのプラスチックをリサイクルする技術を発表した。同技術をもとに、クレジットカードなどの製造から回収・再利用までのフローを設計し、カード会社の資源循環を支援する。
従来、金属とプラスチックで製造されるICカードのような異素材で構成される製品は、再資源化が難しく多くが廃棄されていた。ICカード製造で国内トップシェアのDNPはこの課題に対し、異素材で構成されるプラスチックをマテリアルリサイクルで再資源化し、成形する技術を開発した。
マテリアルリサイクルは、一般的に熱で溶かして再資源化するリサイクル手法だが、金属とプラスチックは融点が異なるため、ICカードの溶融・分離が困難だった。同技術では、粉砕とフィルター工程を組み合わせて金属成分を効率的に除去することで、ICカードを再生プラスチック資源として活用可能な状態にする。
また、同技術を用いたリサイクルでは、ICカードの回収時にも個人情報保護に配慮し、回収時点でカードを細断して読み取り不能にする専用回収ボックスを採用。安全かつ確実な回収を実現している。
実証実験では、再資源化したプラスチックを用いたゴルフティーやプランターなどの製品化に成功している。今後、異素材で構成されるプラスチック再資源化の取り扱い規模の拡大や、対象製品のラインアップ拡大を進める。

