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Rakuten AI、HP製PCに導入へ オフラインでも使える
2025年11月11日 15:43
楽天グループと日本HPは、AIエージェント「Rakuten AI」のデスクトップ版導入に関する協業を発表した。2026年春~夏より、日本国内で販売するHP製の個人・法人向けPC(ゲーミングPCを除く)にデスクトップ版Rakuten AIをプリバンドルした状態で順次販売する。
Rakuten AIは、楽天の70以上のサービスを横断連携できるよう設計され、日本語および日本文化に最適化されたAIエージェント。要約やライティング、翻訳に加え、意図把握から意思決定までを支援する取引エージェント機能にも対応する。国内のプライバシーおよびデータセキュリティに関する法令を遵守する。
デスクトップ版の採用により、HP製PCのユーザーはオフライン環境でもRakuten AIを利用可能になり、AIのクラウド依存を抑えることで、パフォーマンスやセキュリティ面の向上と、コストの実質的な削減が期待できる。なお、デスクトップ版Rakuten AIの料金体系については現在検討が進められている。
岡戸社長「ハイブリッドAI実現の大きな一歩」
協業に関する発表会では、楽天グループ 専務執行役員 Group CAIDO AI & Dataディビジョン グループシニアマネージングエグゼクティブオフィサーのティン・ツァイ氏と、日本HP 代表取締役 社長執行役員の岡戸伸樹氏が登壇した。
ツァイ氏は、楽天のAIに関するミッションは「AIの力で人間の創造性を高めること」だとし、あらゆるサービスにAIエージェントを組み込んで体験向上と新製品創出を目指すと説明した。
また、Rakuten AIが飛行機内などのオフライン環境で使えないという課題を自身の体験から認識し、ローカルでも動作するよう再設計したことが今回の発表につながったと述べ、今後はRakuten AIをPCだけでなく、モバイル端末にも展開していく方針であると語った。
岡戸氏は、日本HPと楽天の協業について、「ハイブリッドAIこそがAIの未来のあるべき姿である」というビジョンを両社が共有できたことから始まったと述べた。協業の狙いとしては、日本語に根差したAIに強みを持つ楽天と、PC上でオンデバイスAIを実装するノウハウを持つHPの両社の強みを掛け合わせることで、幅広いユーザーにハイブリッドAIを届けることだと説明した。
日本HPは、デスクトップ版Rakuten AIの開発アドバイザーとして、Windows上でNPUを最大限活用できるよう技術支援とリリース支援を担当する。同氏は今回の協業を通じて、ハイブリッドAIを実現する大きな第一歩を踏み出せたと語った。









