アスクル、本格復旧は12月上旬　ランサム被害からの復旧計画

アスクルは6日、10月19日に発生したランサムウェア攻撃によるシステム障害に関し、サービスの復旧に向けた取り組みを発表した。まずは事業所向けの「ASKUL」を最優先で復旧し、安全性、安定稼働を確認しながら順次拡大。12月上旬以降の本格復旧を目指す。

ASKULでは復旧第1弾として、10月29日からFAX注文・手運用限定で出荷トライアルを開始している。対象は、医療機関・介護施設を含む一部顧客で、対象商品はコピーペーパー等の37アイテムですべて箱(ケース)単位。出荷拠点は新木場物流センター、ASKUL大阪DCの2拠点だった。

11月12日からはこの対応を拡大し、一部顧客かつFAX注文のみだが、コピーペーパー等の237アイテムを箱単位で受注を開始。出荷拠点として、ASKUL仙台DC、ASKUL横浜DC、ASKUL名古屋DC、ASKUL関西DC、ASKUL福岡DCの5拠点を追加し、合計7拠点に拡大。従来の出荷能力の1～2割程度まで復旧する。

さらに11月中の第2弾ではWeb注文運用のトライアルを開始。FAX注文だけでなく、ソロエルアリーナWebサイトでの注文を再開する。箱単位注文は237アイテムだが、医療機器や衛生材料等のメディカル品約470アイテムも追加する。箱単位注文は上記7拠点、単品注文はASUKL東京DCの1拠点が稼働する。

本格復旧フェーズは12月上旬以降としており、ASKUL Webサイトでの注文と、一部物流センターからの通常出荷を再開予定。

なお、個人向けECの「LOHACO(ロハコ)」は、現時点では出荷トライアル運用の対象外で、再開は確定次第告知する。印刷サービスの「パブリ」は11月中旬からFAX注文を開始し、全面再開は決定次第告知する。

無印良品(良品計画)など、ASKUL LOGISTの3PL事業における顧客企業の出荷業務は今回の復旧スケジュールとは別となる。

なお、ランサムウェアの被害状況や情報流出については、「被害拡大を防ぐため、詳細は情報開示を差し控える」と説明。システムの詳細なログ解析、異常に関する監視、原因・障害対象範囲の詳細調査を継続していく。