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ドコモでんき100万件突破 インフラ事業を経済圏のカギに

NTTドコモの「ドコモでんき」の契約数が10月20日に100万契約を突破した。これに加え「ドコモ光」が今年で10周年を迎えたことを記念し、2つのキャンペーンを10月30日から開催する。

「ドコモでんき」は2022年3月に提供を開始した電力サービス。再生可能エネルギー由来のCO2排出量実質ゼロを実現するプラン「ドコモでんき Green」を中心に、「dカード PLATINUM」「dカード GOLD」「dカード GOLD U」での支払い設定による高いポイント還元率で好評を得ている。

「ドコモ ガス」(2025年6月提供開始)と合わせて利用すると還元率を最大化できる。「ドコモでんき Green」を契約している場合、各種条件を満たすと、毎月の電気利用料金から、エリアに応じて最大14%または22%のdポイントが還元される。

2015年開始の「ドコモ光」は今年で10周年を迎える。「ドコモでんき」の100万契約突破と「ドコモ光」の10周年を記念し、新規契約者向けの「ドコモでんき100万契約突破記念×ドコモ光10周年記念キャンペーン」と、「ドコモでんき」既存契約者向けの「ドコモでんき100万契約突破記念!クイズに答えて総額100万ポイント山分けキャンペーン」が開催される。

ドコモ経済圏の強化にインフラサービスを積極活用

ドコモは7月に「イエナカサービス部」を立ち上げている。これは、「ドコモでんき」「ドコモ ガス」を担当していたエネルギーサービス部と、「ドコモ光」「OCN」などを担当していた光ブロードバンド事業推進部を統合したもので、生活インフラサービスを一括して提供できる体制にしている。

イエナカサービス部 部長の小島慶太氏

dポイントを核にした「ドコモ経済圏」の観点では、イエナカサービスの利用者はすでにdポイントを多く保有し、dカードも高確率で保有するなど優良顧客となっており、モバイル回線の解約率を下げる効果も相まって、ドコモの顧客基盤の強化につながっているという。

物価高騰などを受け、イエナカサービスの高いポイント還元率がドコモユーザーに支持されている状況だが、単純にポイント還元率の高さといった視点で、ドコモ回線を持たないユーザーがイエナカサービスを選ぶケースも増加しているとのこと。

こうした状況に対応するため、イエナカサービスをきっかけにドコモと契約したユーザーに対し、ドコモの携帯電話回線などほかのサービスを訴求していく取り組みも拡大する。

また、イエナカサービスを訴求するポイントも新規に開拓していく方針。例えば生活インフラの見直し機会である引っ越しをターゲットに、入居手続き時にイエナカサービスを提案したり、家電量販店の新生活向け商品の販売と同時にイエナカサービスを紹介したりする取り組みが実施される。また、「ドコモでんき」「ドコモ光」は全国規模で提供しており、引っ越し先でも継続利用できるという点も訴求していく。

通信キャリアが手掛ける生活インフラ事業(電気、ガス、光)という観点では、光回線サービスは優位に立ち、2027年度に900万契約という目標を掲げている。

一方、電気・ガスは他キャリアより後発ということもあり、3位という状況。「大きく水を開けられている状況だが、逆に伸びしろがあるということ」(NTTドコモ コンシューマーサービスカンパニー イエナカサービス部 部長の小島慶太氏)と今後の展開を意気込む。

100万契約を突破し好調という「ドコモでんき」は、「2030年度までに300万契約が目標」(小島氏)。関東・関西に続いて東海エリアにも拡大するガスは、「ピースが揃った」(同)と位置付け、早期に10万契約を目指す方針で、生活インフラ事業は「2027年度までに1位を目指す」(同)としている。

小島氏は、ドコモのイエナカサービスからドコモのユーザーになるケースが増えていることを念頭に「モバイルを軸にした戦い方から、総合力で戦う時代になる」と、ドコモ経済圏や顧客基盤の強化のために、インフラサービスを積極的に活用していく方針を語っている。