ニュース

Google、企業向けAI基盤「Gemini Enterprise」 他社アプリと連携

Google Cloudは9日、企業向けの新しいAIプラットフォーム「Gemini Enterprise(ジェミニ エンタープライズ)」を発表した。

Gemini Enterpriseは、Googleの生成AI「Geminiモデル」や、社内外の業務ツールと連携可能なAIエージェントを統合した業務支援基盤。これまでのチャット型AIとは異なり、複雑な業務の流れを理解して対応できることが特長となる。

このプラットフォームでは、Google Workspaceをはじめ、OutlookやMicrosoft 365、Salesforce、ServiceNowなど他社の業務アプリとも連携できる。特別な契約や専用ツールは不要で、既存のAPIやSDKを使って設定するだけで接続可能。Googleが提供する開発キットやノーコードツールを使えば、専門的な知識がなくてもエージェントの作成や連携設定が行なえる。

Googleはこの取り組みを「Gemini at Work」と位置づけ、AIによる業務支援をあらゆる部門に広げる。たとえば営業部門では、商談履歴や顧客情報をもとに、次に取るべきアクションをAIが提案。マーケティングでは、キャンペーン素材の自動生成や、複数チャネルの効果測定を支援する。

開発分野では、コードの生成やテストの自動化を行ない、リリース作業の効率化に貢献。人事では、応募者の選考や従業員の声の分析を通じて、よりよい人材配置をサポートする。財務部門でも、予算作成や財務データの集約を自動化し、意思決定のスピード向上を支援する。

作成したエージェントはチームで共有可能で、必要に応じて複数のエージェントが連携して作業を進めることもできる。セキュリティやアクセス制御の仕組みも整っており、業務の規模やニーズに応じて柔軟に利用できる。

価格はStandardおよびPlusエディションはそれぞれ年額プランの場合、1アカウントあたり月額30ドルから。中小企業向けの「Gemini Business」は月額21ドルで、同日から順次提供され、30日間の無料トライアルも用意される。