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Lime、全ポートにビーコン設置 駐車違反苦情が8割減

電動モビリティシェアサービスを展開するLimeは21日、国内の全ポートにおけるビーコン設置が完了したと発表した。併せて、首都高速道路周辺のジオフェンシング運用拠点を14カ所に拡大し、誤進入防止にも一定の効果が出ているという。

Limeは2024年8月に日本でサービスを開始し、1年で展開ポートを約40カ所から約500カ所に、車両台数を200台から1,300台に拡大。展開エリアも都内6区から16区および那覇市にまで広がった。

ビーコン設置の目的は、指定場所以外への駐車の防止と、歩行者や都市環境への安全配慮。すべてのLimeポートで設置が完了したことで、ユーザーはポートの3m以内に車両を返却しなければアプリ上で返却操作ができない仕組みとなった。この対策により、5月~6月にかけての2カ月間で、Limeに寄せられた駐車違反に関する苦情は約80%減少した。

また、走行エリアに関しても安全対策を強化している。Limeは2月から、首都高速道路への誤進入を防ぐためのジオフェンシング技術を導入。これはGPSなどの位置情報を用いて地図上に仮想的な境界線を設け、車両が進入しそうになると自動的に減速や停止を行なう仕組みで、国内の電動モビリティ業界では初の取り組み。

導入済みエリアは現在14カ所で、渋谷(上り)、新宿、池袋などの首都高速道路出入口9カ所に加え、明治神宮、代々木公園、皇居周辺など公園・観光地5カ所が含まれる。直近30日間の走行データでは、全体の約3%の車両がジオフェンシングにより進入前に自動制御が作動し、誤進入を未然に防止できたことが確認された。

Limeは年内に、首都高周辺でのジオフェンシング導入を計50カ所に拡大する計画。警視庁や首都高速道路の助言を受けつつ、安全性を担保したエリア設計を進めるとしている。