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AIで歩く次世代四足歩行ロボ「HLQ Air」 東大発ベンチャー開発
2025年5月2日 12:46
東京大学発のロボットベンチャーであるHighlandersは、準国産の軽量型四足歩行ロボット「HLQ Air(エイチエルキューエアー)」のベータ版を提供開始した。独自の設計により小型化・軽量化し、ソフトウェアアップデートを通じた機能拡張も可能。今回のベータ版は国内の自治体、研究機関、インフラ企業などを中心に提供予定で、正式版は2025年内のリリースを予定している。
機械学習や強化学習を活用したAI歩行制御アルゴリズムを搭載し、歩行中の路面変化や外部からの力に対して即座に姿勢を補正できる。小型ロボットは質量が軽いため、環境の影響を受けやすいという課題があるが、AIがリアルタイムで各関節のトルクや位置を調整し、安定した歩行を実現する。
また、従来のPID制御やプリセットモーションを使用するロボットは、不整地や傾斜のある場所での動作に課題があったが、本製品ではセンサーデータと学習モデルを組み合わせた適応型歩行制御により、芝生や傾斜路でも転倒せずスムーズな動作が可能になる。
従来のロボットは高剛性素材のみで構成され衝撃に弱く、損傷時の修理が難しいといった課題もあった。本製品では、素材として高強度樹脂やカーボン素材を採用し、ある程度の変形に耐える柔軟性も兼ね備える。カーボン骨格との組み合わせにより、全体の耐久性も向上した。破損してもコストの低い部品単位で交換が可能。
本体サイズはA4用紙と同程度で、狭い通路や機械間の隙間など、限られたスペースでも移動できる。本体サイズは起立状態で600×280×280mm。重量は8.5kg。最大積載重量は徐行モードで3.5kg、通常歩行で2kg。最高速度は平均3m/s。バッテリー駆動時間は連続歩行で25分、静止状態で90分。30cmの段差や35度までの傾斜の登坂が可能。