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グランドセイコー “異次元の精度”「スプリングドライブ U.F.A.」
2025年4月3日 10:00
セイコーウオッチは、「グランドセイコー」の新作として、年差±20秒の高精度を実現したスプリングドライブ・ムーブメント「キャリバー9RB2」を搭載する腕時計2製品を発表した。6月6日に発売する。プラチナ製の限定モデル(SLGB001)は550万円で、世界限定80本、うち国内40本。ブライトチタン製のレギュラーモデル(SLGB003)は151万8,000円。
グランドセイコーのエボリューション9 コレクションに追加される新作で、新開発のスプリングドライブ・ムーブメント「キャリバー9RB2」を搭載するのが特徴。
グランドセイコーは1969年、「グランドセイコー V.F.A.」を発売。「V.F.A.」は(Very Fine Adjusted)の略で、丁寧に調整された、高い精度を誇る機械式ムーブメントを搭載していた。その後70年代にクオーツ式が登場、70年代後半に入るとクオーツ式の精度追求技術を活かしたスプリングドライブの開発がスタートする。2004年にはパワーリザーブなどの実用性を高めたグランドセイコー専用設計のスプリングドライブ・ムーブメント「キャリバー9R65」を投入している。
水晶振動子を真空密封
「9R65」から約20年を経て投入される新ムーブメント「キャリバー9RB2」は、年差±20秒という非常に高い精度を実現する。平均月差±3秒相当としており、大半のクオーツ式を上回る精度。使用環境については「気温5℃~35℃において腕に着けた場合」としている。
このムーブメントは「スプリングドライブ U.F.A.(Ultra Fine Accuracy)」と名付けられており、回転錘には「SPRING DRIVE ULTRA FINE ACCURACY」の文字が刻まれる。
ムーブメントに搭載される水晶振動子は、3カ月間の入念なエージングにより精度を安定させた上で、新設計のICとともに真空に密封。温度、湿度、静電気、光などの影響を最小限に抑え、高精度を実現する。封入されたICは、水晶振動子の個々の周波数を複数の温度で測定し得られたデータをもとに、温度補正を行なう。
さらに、新ムーブメントにはスプリングドライブ史上初めてという、精度を補正するための「緩急スイッチ」を搭載。これにより、長年の使用で発生する可能性のある精度のずれを、アフターサービス時に補正できるようにした。
ムーブメントの表面には、霧が凍結したかのような、グランドセイコー独自の「霧氷仕上げ」が施される。またムーブメントの随所に椀状の面取りが施され、鏡面に磨き上げられている。
樹氷ダイヤル
ダイヤルのテーマは「樹氷」。製造拠点「信州 時の匠工房」の東に位置する、諏訪・霧ヶ峰高原の厳冬期にみられる「雪原に林立する樹氷」を精緻な型打ち模様で表現した。光の変化で煌めく表面加工が施され、淡いブルーの色合いが特徴。限定モデルはわずかに深みのあるブルーのダイヤル。レギュラーモデルはシルバーがかったブルーで、ブルースチールの秒針が組み合わされる。
腕時計の外観は、エボリューション9 コレクションのデザイン文法「エボリューション9スタイル」に則ったもの。薄型・低重心のケースを採用し、幅が広く安定感のあるブレスレットを装備する。
新ムーブメントが小型・薄型化も実現したことで、腕時計のケース径は37mmとなっており、キャリバー9R搭載モデルの中では最小サイズを実現した。
自動巻のスプリングドライブ・ムーブメント「キャリバー9RB2」のパワーリザーブは約72時間。石数は34石。
限定モデル「SLGB001」のケースはプラチナ950製。ストラップはネイビーのクロコダイル、中留はプラチナ950製(一部は18Kホワイトゴールド)。風防は内面無反射コーティングのボックス型サファイアガラス。防水性能は10気圧防水。本体サイズはケース径が37mm、厚さが11.4mm。
レギュラーモデル「SLGB003」のケース・ブレスレットはブライトチタン製。新開発の中留はグランドセイコー初の微調整機構を搭載、2mmずつ3段階で微調整できる。風防は内面無反射コーティングのボックス型サファイアガラス。防水性能は10気圧防水。本体サイズはケース径が37mm、厚さが11.4mm。