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Apple Intelligence、ついに日本でスタート iPhoneやmacOSが対応

アップルは1日、iOS 18.4、iPadOS 18.4、macOS Sequoia 15.4を提供開始し、iPhone、iPad、Macで日本においてもAI機能の「Apple Intelligence」に対応した。24年から米国などで展開していたApple Intelligenceだが、新たに日本語とフランス語、ドイツ語、イタリア語、ポルトガル語(ブラジル)、スペイン語、韓国語、中国語(簡体字)、英語(シンガポール)、英語(インド)に対応した。

Apple Intelligence対応により、ユーザーは「作文ツール」で書き直し・校正・要約をしたり、スマートリプライを使って1回のタップで返信できるようになる。また、「クリーンアップ」を使って画像から不要な対象物を削除したり、「Image Playground」により新たなクリエイティブ作成、「ジェン文字」での絵文字生成などが可能となる。

また、Apple Intelligenceを基盤とするビジュアルインテリジェンスを活用し、iPhoneのユーザーは周囲の状況について学べるようになる。Siriと作文ツールにChatGPTが統合されるため、アプリを切り替えなくてもChatGPTの専門知識を活用できる。

なお、Apple Intelligenceの多くの機能はデバイス上で動作し、より大きなモデルにアクセスする必要がある場合は、プライベートクラウドで動作する。これにより、iPhoneのプライバシーとセキュリティをクラウドでも確保する。

作文ツール

作文ツールは、テキストの校正、書き直し、要約を実行できる機能。iOS、iPadOS、macOSに統合され、メール、メッセージ、メモ、Pages、他社製アプリなど、ほとんどすべての文章を書く場面で、書き直し、校正、要約を通じて、言葉づかいをブラッシュアップできる。

「書き直し」では、自分が書いた文章に対し、プロフェッショナル、簡潔、フレンドリーなどの用途にあわせて表現方法を調整できる。「校正」は、文法、言葉の選択、文の構造をチェックするほか、編集候補をその説明とともに提案する。

また作文ツールでは、テキストの書き直し、校正、要約のオプションに加えて、「変更を説明」オプションを使って、加えたい変更を指定することができる。「変更を説明」により、履歴書によりダイナミックな動詞を追加したり、ディナーパーティの招待状を詩の形式にするなど、表現の調整が行なえる。

写真アプリ

写真アプリは、写真のクリーンアップや思い出の追体験が可能になる。

写真アプリでは、自然な言葉づかいで検索ができ、ユーザーは「赤いドレスを着て踊っているマヤ」など、探しているものを説明して検索できる。ビデオも検索可能で、ビデオの特定の部分で起きたことを検索して、すぐにそのシーンを表示できる。

また、不要な対象物や人物が写真のフレームの中に写り込んでしまった場合は、「クリーンアップツール」を使って、撮影の意図を忠実に保ちながら、不要な要素を消すことができる。

メモリー機能は、ユーザーが説明を入力するだけで、見たいムービーを作成できる機能。言語と画像を理解する能力を活用し、Apple Intelligenceは、ユーザーの説明にもとづいて写真とビデオを選択。写真から特定されたテーマにもとづいてチャプターに分かれたストーリーラインを作成し、独自の流れのある物語のムービーに仕上げる。

Image Playground

Image Playgroundでは、はテーマ、コスチューム、アクセサリ、場所などのコンセプトを選択して、楽しくユニークな画像を簡単に作成できる。独自のテキストによる説明を追加できるほか、写真ライブラリの写真を使って家族や友人に似た画像を作成可能。

作成できるスタイルは以下の通り。

  • アニメーション:現代的な3Dのアニメーション画像
  • イラスト:シンプルな形状や明確な線、カラーブロックの画像
  • スケッチ:あざやかなカラーパレットと技巧的な線を組み合わせて、アカデミックで極めて細かい描写の写実的な絵を生成

メッセージに統合されているため、会話で使う画像の作成が簡単になるほか、フリーボード、Keynoteなど多くのアプリにも統合されている。また、Image Playgroundは専用アプリとしても利用可能。

ジェン文字

ジェン文字は、絵文字キーボードに説明を入力して、独自の絵文字を作れる機能。写真ライブラリの画像を使って、ジェン文字を作成することも可能で、パーソナライズされたジェン文字を帽子やサングラスなどのアクセサリでカスタマイズできる。絵文字と同様に、ジェン文字をメッセージの文中に追加したり、Tapbackでステッカーやリアクションとして共有可能。

画像マジックワンド

メモアプリに新しいツールが導入され、メモの作成がより視覚的で、ダイナミックになる。ツールパレットにある「画像マジックワンド」によって、ユーザーはすでにメモに入力している文章またはビジュアルコンテクストに合わせて、メモの中に画像をすばやく作成できる。

画像マジックワンドは

画像マジックワンドは、ラフなスケッチを円で囲むだけで洗練された画像に作り変える。メモ内の何もない空白部分に円を描くと画像マジックワンドがデバイス上の生成モデルを使って、手書きまたはタイプ入力したテキストを分析し、周囲のコンテクストを収集して、メモを補足してより視覚的にする関連画像を作成する。アニメーション、イラスト、スケッチのスタイルで画像を作成可能。

優先順位を付けて集中

優先メッセージにより、メールアプリの受信ボックスの先頭に表示される新しいセクションが追加。当日のランチの招待や搭乗券など、緊急性の高いEメールを表示する。

ユーザーの受信ボックス全体で、メッセージを開くことなく要約を確認でき、長いスレッドの場合は、「要約」をタップまたはクリックするだけで関連する詳細を表示できる。スマートリプライは、すばやく返信するための提案を提供するほか、Eメール内の質問を特定して、回答を促す。

またApple Intelligenceは、「通知の要約」によって、ユーザーが優先順位を付けて集中できるよう手助けする。長い通知や積み重なった通知をすばやく確認でき、グループチャットでのやり取りが特に頻繁になった時などに、ロック画面に重要な詳細情報が表示される。優先通知では、真っ先に目を向けるべき通知が優先され、急ぎのやり取りを常に把握することができるという。新しい集中モード「さまたげ低減」は、すぐに確認する必要がある通知のみを表示する。

メモアプリと電話アプリでは、音声の録音、文字起こし、要約に対応。電話アプリで通話中に録音が開始されると、参加者に自動的に通知が届き、通話が終了すると、重要なポイントを思い出せるようにApple Intelligenceが要約を生成する。

会話能力が向上したSiri

SiriもApple Intelligenceで強化され、より自然で文脈に則り、システム体験に緊密に統合される。iPhone、iPad、CarPlayで作動している時は、画面の縁を囲うように光り輝く、新しいデザインを採用。Macでは、デスクトップの好きな場所にSiriを置いて、作業中に簡単にアクセスできるようになる。iPhone、iPad、Macでは、Siriにタイプ入力も可能で、テキストと声をスムーズに切り替えて、日々のタスクをこなせるようになる。

Siriの言語理解も強化され、ユーザーが言葉につまづいても話についていけるほか、1つのリクエストから次のリクエストへと文脈を保てるようになる。

ビジュアルインテリジェンス

ビジュアルインテリジェンスは、Apple Intelligenceを基盤とし、ユーザーが周囲の状況を把握できる機能。iPhoneのカメラを向けて、お店の営業時間、利用可能なサービス、連絡先などを取得できるほか、テキストを別の言語に翻訳したり、電話番号やメールアドレスを検出して連絡先に追加するといった作業が簡単に行なえるようになる。

ビジュアルインテリジェンスは、iPhone 16/iPhone 16 Proではカメラコントロールを長押し、iPhone 15 ProとiPhone 16eでは、コントロールセンター、ロック画面のコントロール、またはアクションボタンをカスタマイズして利用する。

Siriと作文ツールでChatGPTを利用

iOS、iPadOS、macOSのSiriと作文ツールの体験でChatGPTにアクセスできるようになる。ユーザーがアプリ間を行ったり来たりしなくても、ChatGPTの専門知識や画像と文書を理解する機能を使えるようになる。SIりからChatGPTにアクセスし、Siriが直接回答することも可能。

「作文」では、作文ツールから、自分が書いているらゆるものをChatGPTに生成してもらえる。また、ChatGPTの画像生成機能を使って、書いた内容に画像を追加することもできる。ユーザーは、ChatGPTの統合を有効にするかどうかを選択できる。また、利用にはChatGPTのアカウントは不要。