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Amazon、次世代型原子炉「SMR」に投資 電力需要増に対応

Amazonは16日(米国時間)、ネット・ゼロ・カーボンに向けた投資として、原子力エネルギーへの投資強化を発表した。新型小型モジュール炉(SMR)の建設を可能にする取り組みなどが含まれている。

SMRは、従来の原子炉よりも建設期間が短く、接地面積も小さく、送電網の近くに建設可能という次世代型の原子炉。

ワシントン州では、Energy Northwestとの合意により、4基の最新型SMRの開発が可能となる。原子炉はEnergy Northwestが建設、所有、運営し、プロジェクトの第1段階では約320MWの発電能力が見込まれる。2030年代初頭から始まる北西部の予測エネルギー需要を満たすのに役立つとしている。また、SMRと燃料の開発に関わるX-energyへの投資も予定している。

小型モジュール炉(SMR)のイメージ
Amazon announces investments in advanced nuclear energy technology

バージニア州では、Dominion Energy社と、同社のノースアンナ原子力発電所の近くで小型原子炉プロジェクトの開発を検討する契約を締結した。今後15年間で電力需要が85%増加すると予測されているバージニア州において、300MWの電力を供給することになる。

また、Amazonでは以前に、ペンシルベニア州のTalen Energyの原子力発電所の隣にデータセンター施設を共同設置する契約を締結。データセンターに直接、CO2を排出しないエネルギーが供給され、既存の原子炉の維持に役立つとしている。

大手テック企業では、AI投資の拡大などでエネルギー需要が増加し続ける中、再生可能エネルギーへの投資とともに、新たなエネルギー源として原子力への投資を進めている。Googleが14日に、SMRを手がけるKairos Powerとの電力購入契約締結を発表しているほか、Microsoftも9月にスリーマイル島原子力発電所の電力を独占購入する契約を発表している