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車を持っていなくてもライドシェアドライバーに Uber・タイムズ連携

Uber Japan、タイムズモビリティ、ロイヤルリムジンは、日本初となるライドシェアドライバー向けカーシェアプログラムの提供を開始する。9月4日より試験運用を開始し、2024年中の本格運用を目指す。

自家用車を所有していない人にもライドシェアドライバーになる機会を提供するための取り組み。日本初となる、カーシェア車両によるライドシェアサービスを展開する。試験運用の期間は11月30日まで。営業区域は東京23区・武蔵野市・三鷹市。

試験運用では、Uberの配車アプリを通じて法人タクシー事業者が運営するライドシェアサービスにおいて、一般ドライバーがタイムズカーを使用するスキームを検証。運用上の課題の洗い出しおよび解消に向けた検討を行なう。試験運用の対象ステーション(車両設置場所)は、千代田区有楽町の「タイムズステーション・イトシア」。利用可能台数は2台で、トヨタ「シエンタ」とスズキ「ソリオ」。

4月に開始した「日本型ライドシェア」は、タクシー事業者が一般ドライバー(ライドシェアドライバー)の教育および運行管理や自家用車の車両整備管理を行なうとともに運送責任を負う形となっており、ドライバーの募集・雇用もタクシー事業者が行なう。

ロイヤルリムジンにも約250名の応募があったが、ライドシェアドライバーとしてデビューしたのは約60名。脱落した人の中には、稼働できる時間が少ないなどの理由もあったが、自家用車を所有していない、あるいは所有する車両が軽自動車など規定に合わない車種であった人も多かったという。

こういったハードルをなくし、より多くの人がライドシェアドライバーとして柔軟に働ける機会を提供する。

試験運用における対象のドライバーは、ロイヤルリムジンが雇用する一般ドライバー。ロイヤルリムジンがタイムズモビリティと法人契約し、採用したドライバーをライドシェア専用のタイムズカー会員として登録する。

スキーム図

カーシェア使用料はドライバーが負担する。料金はシエンタが15分330円、ソリオが15分220円。なお、ロイヤルリムジンでのライドシェアでは、1時間に平均4,000~5,000円を売り上げ、そのうち7割をドライバーの給料としており、時間帯によってはより多くの売上を期待できるという。

ドライバーにはUberのライドシェアを示すマグネットシート等をドライバーに配布しており、ドライバーが稼働する際にはドライバー自身で、車両の左右、および前方にこれらをセットする。その後、遠隔点呼やアルコールチェック等、自家用車でのライドシェアと同様の、運行前に必要な手続きを行なう。

カードキーで解錠
車両の左右にライドシェアを示す表示をセット
前方にもセット
アルコールチェック等を実施
出発

有楽町のみでの開始となるが、今後順次、カーシェア拠点を拡大していく計画。今回の取り組みを通して、タクシー会社のドライバー採用の加速を目指す。また、タイムズモビリティとしては、カーシェアは休日がより稼働率が高かったが、平日の稼働向上も期待する。なお対象車両は、ライドシェア用車両としての貸出し時間以外は、通常通りタイムズカー会員が利用可能。

左から、Uber Japan モビリティ事業部 ドライバーオペレーションズ本部長 村上浩氏、タイムズモビリティ 経営企画部長 三浦淳美氏、ロイヤルリムジン 顧問 堀江一生氏