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月の標準時「LTC」を米国が策定へ

米国科学技術政策局(OSTP)は、NASAに対して月の標準時(LTC/Coordinated Lunar Time)の策定を指示した。NASAは、2026年12月31日までにその戦略を取りまとめる。

米国主導のアルテミス計画など、今後、月面や月周回軌道でのミッションが増加する中、通信、ナビゲーション、科学実験などのさまざまな活動で使用される「時間」に関する共通の基準が必要とされている。そのため、地球で使用されている協定世界時(UTC)とは異なる、月特有の条件を反映した時間基準を設定するもの。

例えば、地球より重力の小さな月では、時間の流れが僅かに速いため、そうした誤差を考慮して、ナビゲーションや実験などを行なう必要がある。LTCを策定することで、時間の誤差を考慮した正確なナビゲーションや実験が可能になり、月だけでなく将来の火星探査や、その他の宇宙探査ミッションの時間基準開発にも貢献することが期待されている。