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三菱鉛筆、高級筆記具のLAMYを子会社化

三菱鉛筆は28日、ドイツ ハイデルベルクに本社を置くC. Josef Lamy(ラミー)社の株式の全持分を取得し、連結子会社化することでLamy社と合意した。ラミーの買収により、海外事業や商品力の強化を目指す。

三菱鉛筆のシャープペン「KURUTOGA DIVE」

従来、三菱鉛筆は国内を中心に事業を展開しており、海外においては直接の販路を持たず、各国の代理店を通じてビジネス展開してきた。この体制では、効率的な販売が可能だったものの、海外の顧客ニーズに対して十分に応えられないという課題があったという。

同社の中期経営計画2022-2024では、「筆記具事業のグローバル化」を重点方針の一つとして設定。海外への販売体制を整備し、各拠点のマーケティング機能の強化に努めた結果、2023年12月期は過去最高売上高を更新した。このことから、グローバルでのシェアは拡大の余地があり、特に欧州市場におけるシェアは重要な事業戦略であるとし、今回のラミーの株式取得を通じ、販売体制の強化を図っていく。

ラミー子会社化によるシナジー効果として、海外販売体制の強化のほか、ラミーのブランド力の獲得とラミーが得意とする中価格帯~高価格帯を製品ラインナップに加え、幅広い商品展開を実現。売上の拡大を図る。また、ラミーのブランディングやマーケティング手法を取込むことで、新たな展開を目指すという。

また、三菱鉛筆の機能性に優れた筆記具と欧州を中心とする海外市場のユーザーが好むデザインを融合した商品開発など、新たな商品開発や市場開拓を図るほか、ラミーの万年筆ペン先の金属加工技術を獲得することで、両社が保有する技術的知見の組み合わせ、新たな商品開発につなげていく。

三菱鉛筆とラミーの商品ラインアップは、カテゴリーや価格帯において重複が少なく、欧州市場だけでなく、北米、日本、アジアなど各市場においても、両社の保有する販路を活用し、グローバルでの販売強化が達成できるとしている。株式の取得額は非公開。株式譲渡実行日は3月15日を予定している。