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JCBとIDEMIAなど、デジタル通貨「JCBDC」のオフライン送金を実証

JCBは、仏IDEMIAとマレーシアSoft Spaceと提携し、中央銀行デジタル通貨(CBDC)向け決済リューションの実証実験「JCBDC」第2フェーズプロジェクトを開始した。新たにオフライン環境でのCBDC送金をテーマに検証を進める。

3社は、JCBの提供するタッチ決済インフラの活用、CBDC向けのカード形状インターフェイスの提供、疑似的なCBDC取扱環境を構築。2023年3月までJCBDCの実証を行なった。第2フェーズでは、オフライン環境下におけるCBDC送金(オフラインP2P送金)を主要テーマとし、JCBが保有するタッチ決済インフラ(EMVベースの技術仕様、セキュアエレメントが内蔵されたタッチ決済搭載カード、NFCを用いたスマートフォン連携)の活用、協業パートナーのテクノロジーの活用により、新たなソリューションの開発や実証を進める。

主な開発・検証は以下の2つ。

  1. オフライン環境下におけるスマートフォンを媒介にしたカード間での送金
  2. オフライン環境下におけるスマートフォン間での送金

1.においては、オフライン環境下で、送金者がタッチ決済搭載カードをスマートフォンにタップ。受取者のタッチ決済搭載カードを同じスマートフォンにタップすると、送金者のタッチ決済搭載カードから受取者のタッチ決済カードへバリューが移転される。

バリューの移転は、スマホがオンライン接続したタイミングで、クラウド上の検証用台帳システムと同期・連携して実施する。

2.はNFCを活用。オフライン環境下で送金者のスマートフォンを受取者のスマートフォンにタップし、NFC通信により、スマートフォン間のバリュー移転(送金)を実行する。スマホがオンライン接続したタイミングで、クラウド上の検証用台帳システムへの同期・連携を実施する。

なお、JCBDCはJCBによる造語。「Japan CBDC」(日本のCBDC)と「JCB Digital Coin/Currency」(JCBによるデジタル通貨向けソリューション)を表しているという。