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「NTT法は25年に廃止」 自民党PTが提言

自由民主党の政務調査会は5日、「日本電信電話株式会社等に関する法律の在り方に関する提言」を公表した。令和7年(2025年)の通常国会を目処にNTT法の「廃止」を提言している。

NTT法の在り方を巡って、政府内で検討が進められていたもの。12月5日の政務審査会において、法改正などについての提言がまとめられた。提言は「日本電信電話株式会社等に関する法律の在り方に関するプロジェクトチーム(PT、座長・甘利明衆院議員)」が取りまとめた。

同PTでは1984年に制定されたNTT法について、時代の変化を踏まえた内容に改めるべく、検討を進めてきた。提言では、現行法で研究成果の普及に関する責務があることについて「NTTの技術開発事業は国際競争力の源泉となり得るもので、NTTの技術優位性を毀損する」と指摘。経済安全保障上の問題もあるため、「研究成果の普及責務は次期通常国会で撤廃すべき」としている。

また、「有線・音声通話のアナログ固定電話だけをユニバーサルサービスとして今後も義務付ける意義は薄れている」と指摘。2025年の通常国会を目途に電気通信事業法を改正し、NTT法3条にある「電話のあまねく提供」責務を撤廃すべきとし、その他の法改正等により、NTT法を2025年の通常国会を目途に廃止するよう提言している。

NTTは提言の公表を受け、「今後、それらを実現するための法整備等の議論に積極的に協力していく。そのうえで、国際競争力強化等に努めるとともに、我が国の産業力強化、国民生活の利便性向上等に貢献していく」との声明を発表した。

一方、KDDIやソフトバンク、楽天モバイルなどNTT以外の通信事業者やケーブルテレビ事業者は、NTT法の廃止に強く反発している。4日には、181者が共同でNTT法の廃止に反対する記者会見を開催し、NTT法が廃止された場合、公正な競争環境が阻害され、利用者料金の高止まりやイノベーションの停滞などが起きるほか、NTTが公益的な責務を負わなくなると指摘。また、議論や決定の内容が不透明であり、国民的議論が必要と呼びかけている。