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改正NTT法成立 対抗3社は「極めて強い懸念」

KDDI、ソフトバンク、楽天モバイルの3社は、4月17日に成立した「日本電信電話株式会社等に関する法律の一部を改正する法律」(改正NTT法)に対する見解を表明した。3社連名で共通の文書が公開されている。一方、NTTグループもコメントを発表している。

3社の見解の概要として、以下の3点が挙げられている。

  • NTT法廃止を含めた検討や時限を設ける規定は、拙速な議論を招きかねない
  • 今後の慎重な検討を求める付帯決議がなされたことは、国益・国民生活を保護する観点から非常に意義が大きい
  • 引き続きNTT法の「廃止」には反対、より慎重な政策議論が行われることを強く要望

3社は、NTT法の見直しについて総務省の情報通信審議会で検討が続いている中、改正NTT法において2025年を目処として廃止を検討するという時限を設けた規定は、誘導的で拙速な議論を招きかねないとして、「極めて強い懸念がある」と表明している。

一方、公正競争や安全保障などの観点から慎重に検討することや、広く意見を聴取して国民の理解が得られるよう説明すること、という付帯決議は、「非常に意義が大きい」と評価した。

3社は引き続きNTT法の「廃止」には反対する立場を改めて表明している。時代に応じた見直しを含め、より慎重な政策議論が行なわれることを「改めて強く要望する」としている。

NTTは研究開発の責務撤廃を歓迎

NTTグループは改正NTT法の成立を受け、「研究開発の推進責務・普及責務がともに撤廃されました」「グローバルなパートナーの皆さまと機動的に連携しながら、引き続き研究開発に積極的に取り組んでまいります」と、かねてから問題に挙げていた条項が撤廃されたことを報告。

外国人役員規制が一部緩和されたことについては、「当社の機動的な経営に資すると考える」と有効性を認める一方、「外資規制と同様、我が国の経済安全保障の観点から、当社だけでなく、主要通信事業者全体を対象として議論していくことが必要と考えます」と、業界全体の議論であるとしている。

このほか「ユニバーサルサービスやNTT持株・東西の業務範囲規制、外資規制等、技術や市場環境の変化に合わなくなっている規制」については、見直しの議論に積極的に参加していくと表明している。