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「楽天ペイ」に足りないもの 認知を高め「選ばれる決済サービス」に

楽天ペイメント 執行役員マーケティング本部長 諸伏勇人氏(左)、小林重信社長(右)

楽天ペイメントは12日、報道関係者向けに事業説明会を開催し、今後のユーザー拡大についての施策などを発表した。「楽天ペイ」の存在は約8割が認識しているものの、決済サービスとしての“認知”は3位に甘んじている。「選ばれる決済サービス」を目指すため、利便性向上や利用シーン拡大、お得の訴求などに取り組む。

今夏には、「楽天ペイ(アプリ決済)」において「おトクなペイは楽天ペイ スーパー還元」キャンペーンを実施する。7月13日から7月31日まで、楽天ペイアプリ内の楽天ポイントカードを提示すると楽天ポイントが2倍になるほか、「楽天カードもしくは楽天キャッシュでのQR払いで最大20%還元」「2人に1人当たる! 楽天ペイ超トクトク祭」など、複数のキャンペーンを今夏実施する。

楽天ペイの3つの強み。お得にダブルをアピール

21年前にスタートした楽天ポイントをはじめ、楽天Edy、楽天カード、楽天銀行、楽天ペイ、Suicaなど幅広い決済サービスを「フルラインナップ」で持つ点が楽天の特徴。その中でも「楽天ペイ」アプリを中核に据え、様々な決済サービスの起点として活用していく。

1つの楽天IDで様々な楽天サービスが使える「ポイント経済圏」、楽天カード以外も使える「オープン戦略」のほか、累計3.4兆円、直近12カ月で約6,400億円相当が発行されている楽天ポイントによる「新たなユーザー体験」を楽天ペイの特徴として訴求している。例えば、「楽天ペイでの自動車税支払いでポイント付与」、「iPhoneからのSuicaチャージでポイント付与」、「ポイントが貯まるので支払いが楽しい」といったキャッシュレスでの「便利」「おトク」「楽しさ」というユーザー体験を強化していく。

楽天ペイアプリでは、楽天カードから楽天キャッシュにチャージして支払うと、最大1.5%の還元が受けられる。さらに、楽天ポイントカードを提示することで最大1.0%が加わり、最大2.5%の還元が受けられる。月間10万円楽天ペイで支払うと、月間2,500ポイント、年間で3万ポイントお得になることから、「おトクにダブルで貯まる」楽しさをアピールしていく。

楽天ペイの弱点は“認知”

2023年5月において、楽天ペイアプリのダウンロード数は前年比80%向上。ユーザーに高い支持を受け、しっかり使われているという。

一方、楽天ペイの課題としては「認知」にあるとする。MMD研究所の4月の調査では、楽天ペイの認知は80.5%で3位。1位のA社(PayPayと思われる)は88.6%であり、「コード決済として最初に想起される存在になれていない(楽天ペイメント 執行役員マーケティング本部長 諸伏勇人氏)」とする。

「楽天カード」は「カードと言えば……」で最初に想起されるサービスとなっており、楽天ポイントも高い認知と日本一の発行量を誇る。そのため、これらとの連携を強化しながら、楽天ペイ自体の認知の拡大を図る方針。今夏のキャンペーン「スーパー還元」も楽天カード/ポイント連携を前提としたものとなる。

楽天ペイメントの小林重信社長は、「まずは楽天IDを持っている人。そして、楽天カード、楽天ポイントカードを持つ全ての人に使ってほしい。そこを重点的にやっていきたい」と言及。楽天の強みである決済の「フルラインナップ」をユーザー拡大と、利用向上につなげていくとした。

お買いものパンダによる新WebCMも。ナレーションは川平慈英で楽天カードマンを想起させる内容