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キリン、ビール類価格改定 酒税改正とコスト増

キリンビールは、10月の酒税税率改正に伴い、国内で販売するビール、新ジャンル、紹興酒の価格を改定する。また、原材料価格などの高騰を受けての価格改定もあわせて実施する。

キリンビールが販売しているビール系飲料の主な商品として、ビールの「キリン一番搾り生ビール」、発泡酒の「淡麗グリーンラベル」「淡麗極上<生>」、新ジャンル(第三のビール)の「本麒麟」「キリン のどごし<生>」などがある。

10月に酒税税率が改正され、ビールは減税、新ジャンルは増税となる。発泡酒の税率変更はなく、これまでは発泡酒に比べて新ジャンルの税率は低かったが、10月からは発泡酒と新ジャンルの税率が一本化される。

キリンビールが参考として示している1リットルあたりの酒税改正額は、ビールは19円の減税、新ジャンルは26.25円の増税。また財務省が示す350ml換算では、ビールは6.5円の減税、新ジャンルは9.19円の増税。

そのほか、醸造酒類(清酒)の減税、醸造酒類(果実酒)の増税が実施されることから、キリンビールは減税対象となる紹興酒、増税対象となるメルシャンのワインの価格改定も行なう。

メルシャン製品については、国内製造ワイン、日本ワイン、輸入ワインのすべてのカテゴリーが対象となるが、アルコール10度未満の発泡性ワイン・甘味果実酒は対象外。また、4月以降発売の商品は酒税改正額折り込み済みのため価格改定の対象外。

酒税改正額は1リットルあたり、清酒が20円の減税、果実酒が10円の増税。これにより、醸造酒類(清酒、果実酒等)の税率が一本化される。

ビール系飲料の税率は10月時点では350ml換算でビールが63.35円、発泡酒・新ジャンルが46.99円。今後、2026年10月にビールが減税、発泡酒・新ジャンルが増税となり、税率は350ml換算54.25円に一本化される。2026年10月にはチューハイ等の増税も予定されており、350ml換算28円から35円へと、7円の増税となる。

財務省 酒税に関する資料より

キリンビールでは酒税税率改正に伴う価格改定のほか、原材料価格やエネルギーコスト、輸送にかかるコストなどの高騰を受けての価格改定を行なう。対象商品の中には、税率改正の対象ではない「淡麗グリーンラベル」「淡麗極上<生>」も含まれている。また、酒税税率改正による価格改定を行なう品目については、両方の改定が対象となる。

コスト増を受けての価格改定対象品目は、ビール類・その他樽詰商品・輸入洋酒。例として、「キリン一番搾り生ビール」(びん・樽・PET)、「淡麗グリーンラベル」(缶)、「淡麗極上<生>」(缶・樽)、「キリン のどごし<生>」(樽)、樽詰サワー、ジョニーウォーカー ブラックラベル 12年、スミノフを挙げている。

なお、価格改定を実施する商品はオープン価格。