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Google、AI全面展開。PaLM APIやクラウド拡大、GmailやDocsも

Googleは14日、Google WorkspaceやGoogle Cloudにおける新たなジェネレーティブ AIの機能の導入を発表した。

Gmailでメール作成支援。ドキュメントでブレスト

ドキュメントやGmailなどのビジネスアプリケーションの「Google Workspace」では、GmailとGoogle ドキュメントにおいて、書きたいトピックを入力するだけで即座にドラフト(草稿)が作成される。例えば、新入社員を受け入れるマネージャーが「ウェルカムメール」を書くといった場合に、文案を提案。メッセージの追記や省略、トーンの調整などの修正を加えるだけで、時間を節約して必要な案内をまとめられる。

また、Google ドキュメントにおいて、職種の募集要項作成を支援するジェネレーティブAIなども利用可能になる。これらの機能は、今後数週間で一部のテストユーザーに提供される。

提供予定の主な機能は以下の通り。

  • Gmailの下書き、返信、要約、優先順位づけ
  • ドキュメントでのブレインストーミング、校正、執筆、書き直し
  • スライドで自動生成された画像、オーディオ、ビデオを使って、クリエイティブなビジョンを作成する
  • スプレッドシートの自動補完、数式生成、文脈に応じた分類により、元データから洞察や分析につなげる
  • Meetで新しい背景を生成し、会議のメモを作成する
  • Chatで物事を進めるためのワークフローを実現する
A new era for AI and Google Workspace

PaLM API開始。Google Cloudにも拡大

AIを活用する開発者のために、今回「PaLM API」を発表。大規模言語モデル(LLM)の「PaLM」の機能を提供するAPIとなる。PaLMの規模は最大5,400億パラメーターだが、PaLM APIは「サイズと機能の面で効率的なモデル」としており、近日中に他のサイズも追加していく予定。

また、PaLM APIには、アイデアのプロトタイプを瞬時に作成できるツール「MakerSuite 」が含まれる。将来的にはプロンプト エンジニアリング、合成データ生成、カスタムモデルのチューニングなどの機能をMakerSuiteに追加する予定。

一部の開発者は14日からPaLM APIと MakerSuiteをプライベート プレビューで利用可能となり、近日中にウェイティング リストも公開する。

Google Cloudにおいてもジェネレーティブ AI機能を導入。PaLMなどGoogleのAIモデルがGoogle Cloudから利用可能となり、開発者や組織は、エンタープライズレベルの安全性、セキュリティ、プライバシーを確保しながら、既存のクラウド ソリューションとの統合も可能になるとする。

Google CloudのVertex AIプラットフォームにおいて、テキストや画像を生成する基礎モデルに加え、将来的には音声や動画にも対応する。Google Cloudの利用者は、モデルの発見、プロンプトの作成や修正、独自データによる調整、これらの技術を活用したアプリケーションなどを展開可能となる。テストユーザーは14日から、ジェネレーティブAIをサポートするVertex AIとGenerative AI App Builderが利用可能になる。

Build, tune, and deploy foundation models with Vertex AI

ジェネレーティブAIのクラウドサービス展開については、Microsoftが先行して「Azure OpenAI Service」で、ChatGPTやDALL-Eなどに対応している。