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Google、新たな会話型AIサービス「Bard」

Googleは6日、次世代の会話型AIのサービスとなる「Bard」を一部のテストユーザーに公開し、AIへの取り組みを強化する。米OpenAIが開発し、Microsoftが協力する「ChatGPT」との競合となることも予想される。

Bardは、Googleが2年前に発表した「LaMDA(Language Model for Dialogue Applications: 対話アプリケーション用言語モデル)」を搭載した次世代言語/会話機能を活用したもの。

Bardでは、世界の幅広い知識と大規模言語モデルの能力・知性・創造性を組み合わせることを目指しており、Webの情報を活用し、最新で質の高い応答を提供する。例えば、NASAのジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡による新発見を9歳の子供に説明したり、現代サッカーにおける最高のストライカーについて学んだり、といった応用も可能という。

当初は、軽量なバージョンのLaMDAを公開。このモデルでは、必要な計算力が少ないため、より多くのユーザーに提供でき、より多くのフィードバックを得られるという。外部からのフィードバックと内部テストを組み合わせて、Bardの回答が品質・安全性・現実世界の情報の根拠の高い基準を満たしていることを確認する。

また、Googleの目指すものは、「AIのメリットを日々使われる製品に取り入れること」という。

例えば、「ピアノの鍵盤の数は?」のように、事実に基づいた迅速な回答はGoogleで検索することが一般的だが、最近ではより理解を得るためにGoogle検索を使う人が増えているという。

「ピアノとギターのどちらが習得しやすいか、それぞれどのくらいの練習が必要か」といった質問などだ。

AIでは、こうした「単一の正解がない質問」に対して様々な洞察をまとめることに役立つとしており、近い将来に、複雑な情報と多角的な視点をわかりやすく整理するAIを活用した機能を検索で公開する予定。同機能により、全体像をすばやく理解し、Webからより多くのことを学べるようにする。例えば、ピアノとギターの両方を演奏する人のブログ、初心者として始めるための手順、関連するトピックについての説明などをまとめて分かりやすく表示する。

加えて、3月には個人の開発者やクリエイター、企業にLaMDAを活用した Generative Language APIの試用を開始し、その後さまざまなモデルを提供予定。将来的には、AIを使ったより革新的なアプリケーションを簡単に構築できるようなツール群やAPIを開発予定としている。