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ワークマン、ペルチェ素子による直冷型「冷暖房服」 パナ子会社とコラボ

ワークマンは、パナソニックホールディングスの100%出資会社であるShiftallと提携し開発した、ペルチェ素子による直冷方式の「冷暖房服」のテスト販売を5月から開始する。価格は20,000円で、1万台限定。

ワークマンでは、労働寿命を延ばす製品を企業や大学とコラボ開発するための「快適ワーク研究所」を2月に設立。冷暖房服は同研究所による第2弾の取り組みとなる。第1弾は、2月から本格販売する「アシストパワースーツ」(9,800円)。

冷暖房服のペルチェ素子は、電極の入れ替えによる冷却と温熱機能を持ち、冷却10℃、温熱42℃の温調プレート温度に対応。信頼性・安全性の観点から国内メーカー製を採用している点も特徴としている。

冷暖切り替え機能によりオールシーズン対応。インナー方式で作業服の下に着用するため、既存の作業服が使用可能であることもメリットの1つに挙げている。ただし冷却用途においてはベスト、アウターともに排熱対策(熱籠り防止)が必要。

電動ファンで汗を気化させて冷却する「ファン付きウェア」は200億円規模の市場になっているとし、ワークマンでもファン付きウェアとヒーターウェアを年間70万着販売している。

一方でファン付きウェアには、ウェアが膨れあがり見栄えが悪い、膨らんで少し重い、ファンの音がうるさい、暖房にするためには別の「ヒーター付きウェア」を購入する必要があるといった課題がある。

ペルチェ素子による直冷型冷暖房服は、ファン付きウェアよりも性能で勝ることから、3年後には50万台(100億円)を突破するものと見込んでいる。また、ワークマン全店で「快適ワーク特設売り場」を新設。「建設/倉庫/サービス/農業などの当社既存顧客には陳列するだけ必ず売れます」と自信を見せている。

ワークマンは冷暖房服以外に、熱中症対策用の「水冷服」の、1万着のテスト販売を開始。広範に冷却水を循環させるため上半身全体をすぐに冷やせるというメリットがある。一方で、水の重さ、使用時間の短さといった課題があるという。そのため、昼間の猛暑の時間帯だけ使うといった利用方法を想定している。

快適ワーク研究所について、「企業や大学と共同で売上10億円以上に育つ大型製品をコラボ開発するための組織」としており、世の中にない快適ワーク新製品投入を計画している。

なおShiftallは、高効率ペルチェ素子を搭載した、人体を温めたり、冷やしたりすることができるパーソナル・エアコン「Pebble Feel」を発売している。価格は19,900円。