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LINEウォレットとはなにか LINEの「お財布」の現状

LINEは31日、「LINEウォレット」に関する説明会を開催し、スマートフォン上の「第二のお財布」としてのLINEの各機能を紹介した。

LINEウォレットは、2018年にLINE Payの“入り口”としてLINEアプリ上に追加された。その後多くのサービスが追加され、LINEクーポン、LINEレシートなどの16のサービスが用意されている。LINEアプリ最下部の[ウォレット]タブからアクセスでき、LINE Payのお金の管理や支払いのほか、LINEクーポンやLINEレシートなど「お得」なサービスをLINE上で集約した機能になっている。

16のサービスは、以下の通り。要するにLINEのお金やお得系の機能は「ウォレット」にアクセスすればいいという設計だ。

LINEウォレットの16サービス

LINE Pay、LINEクーポン、LINEマイカード、LINEレシート、LINEチラシ、LINEポイントクラブ、LINEマイカード、LINE Monary(お金のメディア)、LINEギフト、LINEショッピング、LINE PLACE、LINE FX、LINE証券、ポケットマネー、LINEスコア、LINE BITMAX(暗号資産)

お得に使えるウォレットに

その中でもLINEが推しているのが「お得」の部分。

買い物する場合は、事前にLINEチラシとLINEクーポンをチェックして、LINE Payで支払いしてLINEポイントを貯める。もしくは会計時にLINEマイカードでPontaやTカードなどを提示して、ポイントを貯めて、帰ったらLINEレシートで買い物の記録と口コミ投稿を行なう、といったように買い物体験全体でLINEとの接点を作り、それぞれを活用することで「お得」に使えるようにしている。

ユニークなのは「LINEレシート」だ。レシートを撮影するだけで、支出管理できる家計簿的な機能で、スーパーやドラッグストアを中心にアプリ上で価格比較も可能。LINEレシート上でキャンペーンなども行なわれている。

また、ユーザーが実際に「買ったもの」のデータが蓄積されるため、LINEレシートならではのデータも取得できているという。

2021年から2022年にかけて、消費者物価指数は4.0%上昇し、多くの商品が値上げされている。LINEレシートのレシートデータによれば、購入金額は物価上昇を裏付けるように3~8%の上昇となっているが、購入品目は横ばい。つまり物価が上がっていることが、データから見て取れる。

また、ユーザーの購買行動も変化しており、スーパーにおける「ヨーグルト」の購入データを見ると、値上げされたメーカー商品は販売数量を落としているが、価格据え置きのPB商品は伸びているなど、節約傾向が見て取れるという。こうした「物価上昇」にも、こまめなレシート記録や価格比較などを活用してユーザー側で対策できるという点もLINEウォレットならではの特徴とする。

LINEウォレットとはなにか

一方で、これまでLINEでは「LINEウォレット」をあまり積極的にアピールしてきておらず、多くのサービスが集約されているためわかりにくさもある。

「LINEウォレットとはなにか?」と問われた、LINEのWallet事業室 山崎達嗣室長は、「LINEウォレットは、お買い物や価値を生み出すゲートウェイ・箱というイメージ。様々なサービスにアクセスできる場所」と回答する一方で、その意味をわかりやすく伝えることについては、「模索中」と認める。

LINE株式会社 Wallet事業室 室長 山崎達嗣氏

実際に触ってみても、LINEのお金周りのサービスがまとまっているが、各サービスの違いや特徴などがわかりにくくも感じられる。

UI/UXの改善は今後重点強化するポイントとしているほか、LINEウォレットは「金融ユーザーを増やすための入り口としての役割を担っている」とのこと。そのため金融資産が一覧できるメニュー画面も用意している。今後よりわかりやすい資産管理画面なども検討していく。

また、LINEウォレット全体のユーザー数は、男女比は48:52とほぼ半々だが、利用者の50代が36%、40代が20%とLINEユーザーと比べるとかなり中高年に偏っている。山崎室長は「特に40~50代の女性が多い。これは『ポイ活』や『お得』とかの文脈で使われていると理解している」と説明。一方、若年層が少ない点は課題としており、各サービス内のコンテンツ強化などで若い世代のウォレット活用を促進していく。