ニュース

高高度から38GHz帯で電波送信 ドコモ・スカパー「HAPS」前進

実験に使用されたエアバスの有人航空機

NTTドコモとスカパーJSATは、高高度から38GHz帯の電波を送信する実験を行ない、電波伝搬特性の測定に成功したと発表した。高高度に通信プラットフォームを飛行させ、災害やイベント対策として提供するための通信基盤の実験。

実験では成層圏下層・高度14kmの高高度から地上の基地局へ向けて38GHz帯で電波を送信し、地上の受信機で電波の伝搬特性を測定。38GHz帯の電波は降雨による電波減衰の影響を受けることから、晴れ、曇、雨のそれぞれの気象条件下で測定され、厚い雲は38GHz帯の電波への影響が小さいことや、少雨では机上計算値と同等の電波減衰がおこることなどが確認された。また将来的な運用を見据えて、上空で旋回する航空機を追尾できる地上受信機が使用された。

これらの実験は、将来的に高度約20kmの成層圏に通信装置を搭載した高高度プラットフォーム(HAPS)を飛行させ、広範囲をカバーできる高速大容量・低遅延の通信サービスを提供することを目指し行なわれているもの。災害対策やイベント会場での通信容量確保、建設現場での重機の遠隔操作など、さまざまな活用が期待されている。

HAPSの概要