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三井不動産と東北大学、オフィスで健康管理をする次世代ロボット

東北大学と三井不動産は、次世代社会に向けたロボットに関する共同研究を開始した。

オフィスにおける人とロボットの共生の在り方を探る取り組み。ロボットがオフィスワーカーとのコミュニケーションを通じて個々の特性を把握し能力を引き出すことで、オフィスワーカーが前向きかつ創造的に自身の役割に取り組むことができる未来を想定し、その実現を目指して共同研究を行なう。

ファーストステップとしては、ロボットが把握する個々の特性のうち、まず「心身の健康」に着目。健康状態は日々変化しているが、わずかな変化については本人も見過ごすことがあり、気付かないうちに状態が悪化する恐れがある。

このため、まずはロボットがオフィス空間を自律移動するための機能を開発。人とロボットの継続的なインタラクション(人への情報提示や双方向の会話を行う機能)の仕方について研究し、インタラクションを通じて様々なデータを収集する。

ロボットが収集したデータについては、医学的見地を加えて、僅かな健康状態の変化を分析するアルゴリズムを作成。その結果を基に、オフィスワーカーが普段と比較して疲れ気味であることや、調子がよさそうであるといった、僅かな健康状態の変化をさりげなく伝える「伝え方」を研究する。こうした取り組みにより、オフィスワーカーが良好な健康状態を保つことで、より生産性高く働くことができるオフィス環境の実現を目指す。

中核となるのは東北大学大学院工学研究科 ロボティクス専攻 平田泰久教授と、同大学大学院工学研究科都市・建築学専攻 本江正茂准教授。平田教授がプロジェクトマネージャーを務める科学技術振興機構によるムーンショット型研究開発事業「活力ある社会を創る適用自在AIロボット群」の知見も活用しながら研究を進める。研究や社会実装に必要な要素(各種情報の計測・解析など)が生じる場合、東北大学内の部局横断での連携や研究開発型スタートアップとの協業なども想定する。